広場に集まり、問題のNHK番組を見るパイワン族の人々。左は番組に出演した高許月妹さん=2009年8月28日、台湾南部の高士(クスクス)村 原告が集団訴訟では過去最大となる1万335人を数え、日本の台湾統治をめぐるNHKの偏向報道を指弾した訴訟として注目された裁判の判決が昨年12月、東京地裁であり、NHK側が全面勝訴した(原告は東京高裁に控訴)。識者は「裁判には勝っても、NHKが内部に十分な番組チェック機関を持っていない問題は変わっていない」と指摘する。番組の視聴者までも原告に加わった異例の訴訟で、何が争われたのか。(NHK取材班)◇ 問題となったNHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー」の第1回「アジアの“一等国”」では、とりわけ1910年にロンドンで開かれた日英博覧会で、台湾の先住民族・パイワン族を「人間動物園」として展示、見せ物にしたという内容が強烈な印象を与えた。 「かなしい」