つい最近まで台湾で懸念されていたのは、先の党大会で全権掌握した習近平が、蔡英文政権に「一つの中国」に合意しろと期限付きで迫るのではないかということ、そしてアジア歴訪のトランプ大統領に対して中国が、「北朝鮮のことは中国に任せておけ、そのかわりアメリカは台湾から手を引け」という交換条件を出してくるのではないか、ということでした。 しかし、その二つの懸念は、少なくとも表面的には起こることがなく、不安はとりあえず解消されました。台湾では、台湾の国際関係はこれからもっと安定期に入るという共通認識があります。とはいえ油断はできません。 中華人民共和国の建国からすでに70年が経とうとしています。中国は台湾が欲しいということで、経済から外交に至るまで、伝統的な「三光作戦」(すべてを潰す)を続けています。 中国が台湾に対して行ってきた「核兵器を使用する」といった脅し、いわゆる「文攻武嚇」や、「武力行使は絶対