いま、中国では「ガチャガチャ」が大ブームになっている。そのブームは、中国社会の根底で起きている大きな変化を暗示しているのではないか——。『中国人のお金の使い道』(PHP新書)を上梓したジャーナリストの中島恵氏が考察する。 ガチャガチャをひたすら買い続ける 新型コロナの影響で景気後退に喘ぐ世界各国を尻目に、中国では景気が回復しつつある。中国の消費を牽引しているのは、購買力が旺盛なZ世代の若者たちだ。豊かに育った彼らが何にお金を使っているのかを取材してみると、従来の中国人像とはまったく違う、新しい傾向が見えてきた。 上海に住む会社員の女性、王さん(25歳)は、中国語で「盲盒」(マンフー)と呼ばれる「ブラインドボックス」が大好きだ。日本の「ガチャガチャ」に似た、買う前は中身が見えない箱やカプセルのことで、今、中国の若者の間で大流行している。 大好きなキャラクターを売っている「IPステーション」と