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ブックマーク / jun-jun1965.hatenablog.com (11)

  • ある種の侮ってはいけなさ - jun-jun1965の日記

    自然と詩心の運動―ワーズワスとディラン・トマス 作者:宮川 清司 大阪大学出版会 Amazon 私が阪大へ行ったのは94年4月だが、宮川先生という50歳になったばかりの少し白髪の英語の先生がいた。阪大出身の英文学者であった。9月に、博士論文として提出する予定の『自然と詩心の運動 : ワーズワスとディラン・トマス』という著書をいただいた。何げなく読んで「えっ」と思った。面白いのである。正直言って、宮川先生はいかにも凡庸な感じがして、つまり侮っていたのだが、侮ってはいけないなあと思った。ちゃんと説明してあったし、覚えてはいないのだが、言うべきことは言ってあるという感じがした。 ヨコタ村上などは、宮川さんを嫌っていたのか、「君あれ読んだ?」と言うから「読みましたよ」と言ったら「の蟲だな」などと暴言を吐いた。こういうものの侮ってはいけなさというのを、ヨコタ村上などは知らずに生きていくのかもしれな

    ある種の侮ってはいけなさ - jun-jun1965の日記
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    werdy 2021/09/13
  • 賞男 - jun-jun1965の日記

    内閣支持率の低下をたばこ増税と関連づけるニュースは未だ見つからない。いくつかの原因をあげる形の中でも、それは出てこない。現実を直視しないというより、マスコミがおダブツ状態であることを示している。 - 島田雅彦はせっかくCMにまで出たのに谷崎賞も野間文藝賞もとれずさぞがっかりしているだろう。しかし毎日出版文化賞があの二流アクション小説というのには呆れる。野間文芸賞のほうもそうじゃないかという気がする。 田中純先生が三つめの賞になる。岡田暁生といい、何でこう一人に賞が集中するのであろうか。 - 『家族ゲーム』は伊丹十三と松田優作で大ヒットし、キネマ旬報ベストワンになり、森田芳光は有名監督になったが、原作者の間洋平はいずこかへ消えてしまった。 - 気の狂った笙野頼子による『海底八幡宮』の、出版しなかった集英社の『すばる』における安藤礼二の書評は、懸命に小説そのものから遠ざかろうとしている。「文

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  • 池内恵氏が東大に - jun-jun1965の日記

    池内氏が東大の先端研准教授になったことを毎日新聞で知った。日文研は優秀な研究者が流出するのだよなあ・・・。いや、いる人が優秀でないということはないのだが。しかし先端研というのは分からんところだ。ほとんど理系なのに、御厨貴がいて、今度は池内氏・・・。御厨はいつの間にか左傾しているし・・・。 - 緒形直人に兄がいるとは知らなかったが、二人とも41歳という報道に、もしや別腹? と思ったのは私だけではあるまい。兄は来月42になり、弟は先月41になったばかりだから、産んですぐできた、というに近いわけだが・・・。 - ノーベル物理学賞をとった三人のうち、二人は名古屋大学の出身である。そういえば以前、ノーベル賞候補でもある理系の私大出身者もいるとか言っていた奴がいたが・・・。名大出身者のノーベル賞受賞は初めてである。ちと嬉しかった。というのは・・・。 少し前に、吉野源三郎『君たちはどう生きるか』の岩波文

    池内恵氏が東大に - jun-jun1965の日記
  • 鴻巣友季子の日本語と原爆ファシズム - jun-jun1965の日記

    西部邁先生が東大を辞めたあと、学生らを集めて喫茶店で経緯説明みたいなのをしたのは前に書いたと思うが、結局西部先生を怒らせてしまって、その時「あんまり老人をからかうもんじゃない」と言って怒ったのだがあの時先生はまだ48歳だった。 - 「死んだ人は反論できないのだから悪く言うな」というのは田中純先生も言っていたがおかしな話で、この世には死んだ人のほうが多いわけで、じゃあシェイクスピアやホメロスや夏目漱石や大岡昇平も死んでいるから批判しちゃいけないのかね。 こういうことは何度も言っているのだが、麻生建にせよ平井正穂にせよ、当時は歴然たる国家公務員であり、その学生指導や人事は田中角栄なんか問題じゃない歴然たる職務権限による国家の一部による行為であって、厳しい視線にさらされるのは当然のことである。その自覚のないやつが多くて困る。 - さてそこで鴻巣友季子の日語を批評する羽目になったわけで、私は特に

    鴻巣友季子の日本語と原爆ファシズム - jun-jun1965の日記
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    werdy 2012/09/09
  • やはり村上陽一郎がおかしい - jun-jun1965の日記

    匿名で議論をしかけてくる奴で、途中からおかしな詭弁でごまかしつつ攻撃してくる奴は、相手にしないことにしている。森岡正博は実名だがあまりにバカバカしいので放置した。 さて、村上陽一郎『やりなおし教養講座』を図書館で借りてきた。はっきりと「12世紀までヨーロッパ人は、ギリシャ・ローマの古典文献を知らなかった」という意味のことが書いてある。田中貴子が、これを14,5世紀のルネッサンスと勘違いしたとしても、既に村上のこのような記述は、明らかに間違いである。まず「ヨーロッパ人」とは誰か。むろん、庶民の話ではなく、知識階層のことだろう。次に「12世紀まで」というのは、何世紀からのことなのか。続けて読んでいくと、47pに「アリストテレスはいつから古典になったか」という表があり、「8・9世紀(イスラム世界)」で「ビザンツを通じてギリシア・ローマ世界と接触」とあり、「12世紀(ヨーロッパ)」で、アラビア語か

    やはり村上陽一郎がおかしい - jun-jun1965の日記
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    werdy 2010/12/10
  • 死せるチュゲコンミン - 2010-10-01 - 猫を償うに猫をもってせよ

    ふと出来ごころでラテン語でもやってみるかと思って購入した大西英文『はじめてのラテン語』(講談社現代新書)を読んでいてなんか不快になった。この人は、ラテン語のVは「ヴ」ではないと言うのだがそれがしつこい。オヴィディウスと書いたらわざわざ「どう考えてもオウィディウスの間違いだろう」とか書いた奴を思い出す。 (活字化のため削除) - ゾラの『獣人』を読んだ。素晴らしかった。バルザックの『従姉ベット』の半分くらい素晴らしかった。『悪人』なんかこれから比べると末流時代の末流小説にしか見えない。同じ犯罪小説だが、スケールが違う。嫉妬、少女への性的いたずら、姦通、汽車、惨殺、その小説自体が、主人公ともいえる汽車リゾンのように、疾駆する。ゾラは再評価されているようで、藤原書店と論創社からシリーズが出ているが、私が読んだのは安く手に入れた筑摩書房の古いもので、しかし訳文はちっとも古くない。原題の海外の一流作

    死せるチュゲコンミン - 2010-10-01 - 猫を償うに猫をもってせよ
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    werdy 2010/10/05
    ”しかし人と『三国志』の話をしていて「チュゲコンミン死して生けるシマチョンダを走らす」なんて言ったら知的に聞こえるどころか通じないし” 早朝から爆笑した。
  • 猫を償うに猫をもってせよ - 一瀬陽子に刑事告訴されている

    京都府南警察署の大槻という刑事から電話があったのは、四月七日の午後のことだった。何ごとならんと思ったら、一瀬陽子という女が、私を脅迫罪で訴えたという。何でも、一年以上前の昨年1月12日に、一瀬が「2ちゃんねる」に私のことを書きこんだので私が怒り、「必ず復讐はします」とメールしたのであるが、一瀬はその時、「削除依頼を出した」と言って謝ってきたのだが、その「復讐をします」という片言隻句をとらえて脅迫だといっており、弁護士がついて告訴状を出してきたというのだ。 いや実に悪質な嫌がらせである。私は、脅迫罪というのは、殺すとか殴るとか、内容がなければならないし、五万円払わなければ何々するというもので、これはそのどちらの要件も満たしていない、そもそも警察で受理すべきものではない、と言ったが、大槻は「いや、それが、なると言うんですよ」と言う。その上大槻は、上京して私に事情を聞きたいと言うから、そんなもの

    猫を償うに猫をもってせよ - 一瀬陽子に刑事告訴されている
  • 護憲左翼に「意見」などというものはない  - jun-jun1965の日記

    東京裁判の時、石原莞爾が、東条英機と思想上の対立があったようだがと問われて、東条に思想などというものはないから、対立などありえないと答えたのは有名な話である。 『週刊金曜日』が天皇制特集をしていて、私の『天皇制批判の常識』を他の書籍とともにあげて「小誌とは何かと意見の異なる著者だが」として紹介している。 しかし、『週刊金曜日』に「意見」などというものがあるのだろうか。あるなら聞かせてもらいたいものである。誰が「小誌」を代表するのか知らないが、ぜひ議論して、どういう風に「意見」が違うのか知りたいものである。 まあたとえば「九条」というバカ左翼の天皇陛下であるが、彼らはこれについて意見など言ったためしがない。自分では言っているつもりだろうが、では自衛隊を廃止するのか、それで軍事をどうするのだ、という質問にはいっさい答えないのである。中島岳志もそうだが、質問や批判に答えないやつは「意見」だの「思

    護憲左翼に「意見」などというものはない  - jun-jun1965の日記
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    werdy 2010/05/04
    佐藤優さんが「思想」について指摘していたことと似た構図だと思った。
  • 歌丸の厩火事 - jun-jun1965の日記

    この日、NHKの「日の話芸」でやった歌丸の「厩火事」は、かつて見たことのない名演だった。この数年の歌丸の藝が進境著しいことは気づいていたが、これはすごかった。サゲの直前で女が涙を拭くところで、私はまったく意識せず、もらい泣きしていた。「厩火事」というのは、そんなに好きな話ではない。愛情確認をする女というのは、男にとって陶しいものだからだ。小三治が演ってさえ、今回の歌丸ほどの完成度はなかった。藝術協会会長の名に恥じない名人に、歌丸はなりつつある。 ところで、米朝師匠は気の毒である。かつて師匠は、関係者がみな55歳で死んだため、自分も55で死ぬのではないかと恐れていたというが、むろん、今年80の長命を保っている。だがその一番弟子の枝雀の自殺に続いて、まな弟子の吉朝が50歳で死んだ。 18年前、尾上辰之助が40歳で死んだ時も、まだ存命だった尾上松緑が気の毒だったが、いま、その息子は四代目松緑

    歌丸の厩火事 - jun-jun1965の日記
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    werdy 2010/04/01
  • 足利尊氏は悪人扱いされたか? - jun-jun1965の日記

    (活字化のため削除) - 『週刊読書人』に『大河ドラマ入門』のことが書いてあるとオタどんに教えられ、図書館で見てきた。まだ見もできてないのに、詳しい。さすが光文社(なのか?) だがその読書人の第二部一面に立川談四楼の新書十冊推薦みたいなのが載っていて、『遊女の文化史』があったのでげんなり。しかも文面を見ると「書いてあるだろうか」などとあって、全体に読まずに書いたらしく見える。「当然、好きで遊廓で働いていた女もいるはずで」(うろ覚え)とあって、何を根拠にそういうことを書くかなあ。私の知る限りそんな例は徳川・明治を通じてないのだが。 談志師匠の「幽女買い」というのを聴いたことがある。あの世へ行って「幽女」を買うという話だが、「ゆうじょ? 古風だね」という台詞がある。つまり徳川時代に「遊女」なんて言わなかったのである。「じょうろ」である。『遊女の文化史』に書いてあるような、近松が描いたような

    足利尊氏は悪人扱いされたか? - jun-jun1965の日記
  • 新刊です - jun-jun1965の日記

    中島敦殺人事件 作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 論創社発売日: 2009/12/01メディア: 単行購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (10件) を見る 説明しますとこれは小説です。表題の長篇に「天皇の煙草」(ブログ上では削除済み)がついています。推理小説ではなくて、吉田司『宮沢賢治殺人事件』と同じコンセプトのもので、中島敦生誕百年にあえて逆らってみたものです。形式的には『美人作家は二度死ぬ』の続編というか、菊池涼子シリーズ第二作になりますが、これだけでも読めます。キャラクターが再登場するだけ。 bk1も貼っておきます。 http://www.bk1.jp/keywordSearchResult/?keyword=%E4%B8%AD%E5%B3%B6%E6%95%A6%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6&storeCd=&sea

    新刊です - jun-jun1965の日記
    werdy
    werdy 2010/01/12
    [小谷野敦]
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