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ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (4)

  • 谷沢永一逝去、『高橋亀吉 エコノミストの気概』再考

    谷沢永一氏がお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。文献考証的な面で僕の研究分野と接点があるいくつかの研究がありますが、やはり最も注目したものは、03年に出た『高橋亀吉 エコノミストの気概』です。以下ではこの著作の内容を振り返りたいと思います。 この著作は、評論家として筆一で生活し、戦前から戦後まで長い時代に活躍したエコノミスト高橋亀吉の事跡を追うことで、おそらく谷沢氏自身の生活、評論活動を自省する試みであった。 「世には評論家と呼ばれたり名乗ったり、数え切れないほど同業者は知られているけれども、実際のところそのほとんどは、大樹の陰に宿って固定給にありついている」 だからサラリーマンの気楽な稼業として評論をやっている。それに対して高橋亀吉は身銭をきって眼光を光らせて、資料を精査し、「高橋学派」とでもいうべき彼個人だけの主張を構築したのだ。 「私は独立独歩の高橋亀吉を敬愛する。そして

    谷沢永一逝去、『高橋亀吉 エコノミストの気概』再考
    werdy
    werdy 2011/03/10
  • 居神浩「ノンエリート大学生に伝えるべきこと──「マージナル大学」の社会的意義」 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    ようやくネットで全文が読めるようになったのでご紹介。問題意識は僕もまったく共有する。ここで居神氏のいう「マージナル大学」とは、僕の『偏差値40から良い会社に入る方法』でいえば「非就職コア層」が多く所属する私立大学を多く指す概念である。「層」で見るか、「大学」でみるかの違いはある。 「マージナル大学」といっても多様性があることは著者も十分に指摘している。この論説では特に以下の諸点が注目されている。 大学が受験者の選抜機能を維持していた時代には,認識の発達(それは例えば受験学力に置き換えることも可能であろう)の点におても,関係の発達(これは最近流行の「コミュニケーション能力」に近似されるか)の点においても,同一集団のなかの平均以上の層のみから学生を入学させることができた。ところが選抜機能が弱まるにつれ,しだいに両者の発達が平均的な層を取り込み,選抜機能がほとんど失われてしまったところでは,平均

    居神浩「ノンエリート大学生に伝えるべきこと──「マージナル大学」の社会的意義」 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • すべての人に贈るだまされないための経済入門ーベストブックガイド100+1

    勝間さん、宮崎さん、飯田さんの共著刊行を記念して以下にすべての人に贈る、一部の政治家・官僚・マスコミ・評論家や一部の経済学者、そしてほとんどのアルファブロガーやネットで自分の利害でしか書けないのになぜか経済を語る株式・資産運用者たちの放言などなどにだまされないためのブックリスト。 これ以上体系的でまた啓蒙的なブックリストは作成不可能。自信をもってお薦めします。とりあえず改行したところでひとまとめのコンセプト(僕と主張が違うでも対立軸を明確にするため参考になる対論のも掲載)。 まだ一冊も読んだない人はぜひ一読を。そして経済書を読んできた人は何冊読みましたか? 勝間和代、宮崎哲弥、飯田泰之『日経済復活 一番かんたんな方法』 日経済復活 一番かんたんな方法 (光文社新書 443) 作者: 勝間和代,宮崎哲弥,飯田泰之出版社/メーカー: 光文社発売日: 2010/02/17メディア: 新書

  • 松原隆一郎「論壇時評」in『朝日新聞』

    1月25日月曜の朝日新聞の論壇時評は興味深いものだった。なぜならそこで松原隆一郎氏がデフレ論争をまとめており、その中核がデフレ問題については見解を同じくしている飯田泰之論説を批判しているからだ。直接の反論はひょっとしたら飯田さんが行うかもしれないので、私はむしろ松原氏のデフレ問題そのものの見解についていくつか注目しておきたい。 まず飯田論説を批判した後にそれに関連して以下のように彼は書いている。以下で松原氏が依拠している菊池らの発言はこのブログでもとりあげた『Voice』収録のものである。 「菊池(英博…引用者補遺)の見るところ問題の発端は、小泉以来の自公政権が、輸出にかかわる大企業を優遇したことにある。ゼロ金利によって円安誘導し、法人税と所得税を下げたのである。低金利は高齢家計を直撃し、財政赤字の穴埋めに消費税率が引き上げられて、それでも財政悪化したため公共投資と地方交付税交付金が削減さ

    松原隆一郎「論壇時評」in『朝日新聞』
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