鳥取県の山間部を走る赤字ローカル線の古びた駅舎に映画「男はつらいよ」でおなじみの「寅さん」や農家のおばちゃんのかかしを置いて、ローカル線の観光客の呼び込みを支援しようというプロジェクト「ふるさとの駅」が進行している。今春までに沿線各駅に30体を並べるほか、将来は特急にかかしを乗せて、関西へ「出張」させる案も練っている。 この構想に取り組んでいるのは、日本生命鳥取代理店営業部長の岡上正人さん(56)。前任地の徳島県で三好市東祖谷(ひがしいや)地区を「かかしの里」として売り出す企画を県に提案、里はたちまち観光名所として注目されるなど実績をあげてきた。 昨春赴任してきた鳥取では、昭和5年の開業時の面影を残す第3セクター、若桜(わかさ)鉄道(郡家-若桜間、19・2キロ)の木造駅舎に着目。同町では兵庫県からSLを誘致、駅舎や付属施設などのすべてが国の登録有形文化財になるなど、町ぐるみでローカル線生き