はじめに 化石を研究するときに,いったいこの化石はどうして化石になったのだろうか?という疑問を抱く.生きていた生物すべてが化石に残るわけではない.恐竜や貝の様な骨や殻を持っているものはすべて残るかというとそうでもない.もちろん硬組織を持っているほうが残りやすいことは確かだと思うが,それだけではなさそうだ. このような,化石化のプロセスを研究する分野をタフォノミー(Taphonomy)と呼んでいる. 化石形成までのプロセスと関与する要因 生物が死んでから化石化するまで,生きていたときの状態を入れて大きく4つの段階に分けられる.すなわち,1.生物の誕生~死,2.腐敗作用,3.運搬作用,4.埋没化石化作用の4区分である.この1~4のプロセスは,1は最初で無くてはならないが,2~4が起こる順番は一定ではない.しかし,一般的には,2→3→4という順番になる. 1.生物の誕生~死 化石になるには,当然