ナットウキナーゼ(第3回):今回は、第2回で横に置いておいたメカニズムに迫ります。 かなり古い研究にはなりますが、1985年のJ Clin Investに興味深い論文が掲載されています。それは日本人健常者で行われた臨床研究で、プラセボ投与群やウロキナーゼ単回(1日)経口投与群の血清には殆ど認められない分子量約53 kDaのウロキナーゼ様蛋白質が、7日間連続でウロキナーゼを経口投与した群の血清中からは単離できるというのです。その蛋白質は抗体を固定化したアフィニティーカラムで精製されており、生化学的にも免疫学的にもウロキナーゼ蛋白質で間違いはなさそうです。ただし活性は非常に弱いという特徴がありその理由は明らかではありません。研究者らは血液中のウロキナーゼ様蛋白質の多くは消化管から吸収されたもの、とは考えておらず、一部吸収されたウロキナーゼが、肝臓や血管内皮でのウロキナーゼの合成や循環血中への遊