世界が栃木県の片田舎で生まれた発明に大きな注目を寄せ始めた。驚異の飛行艇が現れた。 その飛行艇は両翼がない。魚のマグロが3本寝たような形状である。ほとんど滑走することなく垂直に近い角度で上昇し、180度旋回や横転を瞬時にこなす。圧巻は、空中停止。そのままゆっくり下降して着陸できるが、上昇や直進を再開することもできる。まるで水中を泳ぐ魚のように自由自在。見た者誰もがUFOの実在を信用するようになる。 ≪全く新しい航空理論≫ 飛行艇の名は「ベルシオン飛行艇」だ。栃木県に研究施設を持つベンチャー、グローバルエナジーが開発した。 視察に訪れた航空理論のある専門家は目の前で見ていながら信用せず「どういうトリックを使っているのか」と声を荒げた。 通常の航空理論は機体に備わった両翼の上下間で、機体が直進滑走する際に発生する気圧差により揚力を発生させ、空中へ舞い上がる方式であるからだ。直進速度が