交信が途絶えたX線天文衛星「ひとみ」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日、姿勢制御系の異常でゆっくりと回転が始まった後、回復のため化学エンジンの噴射を命じる制御コマンドに誤った値が設定されていたと発表した。その結果、太陽電池パネルが分離するほどの高速回転に至った可能性があるという。JAXAはミスの可能性も含め、原因を調べている。 ひとみは3月26日夕、通信ができなくなった。望遠鏡による観測などから、いくつかの大きな部品が本体から分離したとみられる。 JAXAの推定では3月26日未明、天体観測に伴う姿勢変更の後、自らの姿勢を把握するセンサーなど姿勢制御系の異常で、ゆっくりとした回転が始まった。回転を止める機能がうまく働かず、安全な姿勢に立て直す「セーフホールドモード」に自動的に移行した。 しかし、化学エンジンの制御コマンドに不適切な値が設定されていたため、エンジン噴射で
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