最大級の警戒が呼びかけられた台風10号が事前の予報ほど勢力を強めなかった意外な要因が浮かび上がりました。専門家が当時の海の状況を詳しく解析した結果、本来、暖かい海水を届ける黒潮が、先行した台風がかき混ぜた比較的冷たい海水を200キロ以上も広げる役割を果たしていた可能性が高いことが分かりました。 海洋物理学が専門で九州大学応用力学研究所の広瀬直毅教授は、その背景を探るため、台風9号や10号が通過した際の海水温や海流の状況を人工衛星のデータや、気象状況などを基に、コンピューターシミュレーションで詳細に再現しました。 台風9号が通過する前、一帯の海面水温は台風が発達するとされる27度よりも高く28度以上となっていましたが、9月3日にかけて台風9号が東シナ海を北上すると、海水がかき混ぜられた影響で、進路の付近では27度以下に低下したとみられています。
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