「TikTok(ティックトック)の動画撮ってるんで、いいっすか?」。熊本市の30代男性は昨年春、一緒に遊んでいた高校の後輩A(20代)からスマートフォンを向けられた。車の運転中でもあり、されるがままにしていた。数カ月後、男性の自宅に身に覚えのないオンライン決済の請求書が届く。それはオンライン決済が手軽に利用できるようになった日常生活に潜む危険だった。 請求書は、電話番号とメールアドレスがあれば利用できるオンライン決済サービス会社からだった。顔写真と身分証を撮影して本人確認すれば、オンラインで商品を購入した後、コンビニエンスストアなどでの後払いで買い物ができる便利なサービスだ。 男性が調べると、自分のアカウントが勝手に作られ、約15万円のスマートフォンが分割払いで購入されていた。登録していたメールアドレスを調べると、Aにたどり着いた。 Aを問い詰めると不正を認めた。勝手に顔写真を撮り、コンビ