新型コロナの流行を奇貨として伸張著しい食料品のオンライン購入は、今や1000億ドル。起業マニアだった男はいかにして食料品のEC・インスタカートを米国最大にまでしたのか。 30代にしてビリオネア、アプールバ・メタ。2年間で20のスタートアップを立ち上げ、いずれも空振りさせ、最後に成功させたのがインスタカートだ。その企業価値は180億ドル。インド生まれの苦労人だが、アマゾン社員だった2015年に米フォーブスの「30UNDER30(世界を変える30歳未満の30人)」に選出されている。彼は自社がアマゾンより優れている理由を力説する。だが問題は、新型コロナが去った後にデリバリービジネスがどうなるかだ。 アプールバ・メタが思い返すのは、未曾有のカオスのことだった。昨年1月、メタが経営する「インスタカート」は人気アプリとして勢いに乗っていた。そこへ昨春、新型コロナウイルスのパンデミックが発生したことで、