大阪市の橋下徹市長や、先日の籾井勝人NHK会長の就任会見など、「慰安婦問題」について要人が発言すると、とにかく「大騒動」となることが定着してしまったようだ。現在の複雑な日中韓の政治問題を鑑みると、「慰安婦問題」については「あえて触れない」ことが美徳(無難で賢明)なことだとされかねない。しかし、かつて確かに「慰安婦」は存在した。存在した彼女たちのこと自体は忘れられてはならない。時に「反日活動」の「道具」とされ、時に「愛国主義」により「黙殺」され、「慰安婦問題」=「タブー」という方向に、結果的になっていってやしないか。 韓国・中国など、日本以外の「元慰安婦」の声が報道では大きく取り沙汰される。ここでは「謝罪」「賠償」とも無縁の「日本人慰安婦」に関する証言と、永井和(京都大学文学研究科教授)による「日本軍の慰安所政策」について触れたい。 日本軍「慰安婦」を追って 元「慰安婦」元軍人の証言録(西野