27日に東京で開かれた国際シンポジウムで放射性ヨウ素による1歳児の甲状腺被ばく量(等価線量)の推計結果を発表した放射線医学総合研究所(千葉市)の栗原治・内部被ばく評価室長は「放射性ヨウ素の環境放射線モニタリングの数値に比べ、推計値は低い数字だった」と分析した。 栗原室長らのチームは今回の推計で、東京電力福島第一原発事故直後に原子力安全委員会が、いわき、川俣、飯舘の3市町村で実施した子ども約1000人の簡易甲状腺検査結果を用いた。さらに、大人約3000人のホールボディーカウンターによる検査結果に基づき、放射性ヨウ素の内部被ばく量を、ホールボディーカウンターで検出された放射性セシウムの3倍に当たると想定して算出した。 1歳児と同時に、大人の甲状腺被ばく線量も推計したが、飯舘村の20ミリシーベルトが最大だった。ヨウ素は半減期が8日と短いため、これまでの内部被ばく検査ではほとんど検出されていない。