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ブックマーク / ameblo.jp/kyupin (14)

  • 『広汎性発達障害と心因反応』

    かつて、研修医の頃、知的発達障害の人は「心因反応」を起こしやすいと教えられた。 これは知的水準が低いため、種々のライフイベントの際に混乱を起こし、精神病状態を呈しやすいと言う意味である。この精神病状態は「統合失調症様状態」であったり「躁うつ病に類似する状態」であったり、精神病ではないが、ヒステリーのような神経症状態であったりする。その人の心因反応が何に類似するかは予め決まっているわけではなく、個人差がある。 これらは治療がうまくいくと寛解するが、もちろん生来の知的水準は上がるわけではない。 現代社会の「広汎性発達障害」の精神症状の出現の仕方は、この「知的発達障害の人の心因反応」に類似している。そっくりそのままと言っても良いほどである。 いわゆる高機能群の人々は、知的レベルが低いわけではないが、社会への適応が悪く容易に混乱を来たすため、似たような心因反応を生じやすい。もし、ハンス・アスペルガ

    『広汎性発達障害と心因反応』
  • 『うつ病の「泣き笑いの表情」』

    うつ病には「泣き笑いの表情」という精神所見があるが、近年、この特徴的な表情はあまり診なくなっている。診なくなっているとは言え、稀有と言うほどではない。 泣き笑いの表情は、うつ病で酷い状態なのに表情は「微笑んで見える」ものを言っていると思うが、これは少なくとも教科書レベルでは、深く解説しているものを見たことがない。ひょっとしたら、論文レベルでは見つかるかもしれない。 この泣き笑いの表情は、僕は研修医1年目に、躁うつ病の中年の入院患者さんで初めて診ることができた。助手の先生から、これがうつ病の「泣き笑いの表情」と説明されて、なるほどと思った。言われてみると「泣き笑い」と表現するほかはない。これは真似をしようとしてもできない表情だと思った。 あの表情は、一般的に言われる感情的な「泣き笑い」ではなく、「表情筋の麻痺あるいは硬直」の世界だと思う。表情があのまま固定しているからである。また、この表情を

    『うつ病の「泣き笑いの表情」』
  • 『インターネットは内向的な世界なのか?』

    2ちゃんねるなどの掲示板を見ていると、時々、妄想的に思える書き込みを見かける。例えば、 自分の行動はインターネットで監視されている・・ などである。他の妄想的な書き込みを挙げると、パソコンや家電の板で、あるメーカーの酷評する書き込みに反論したりすると、そのメーカーの社員の工作員という決め付けをされることがある。偶然そういうこともあるとは思うが、軽く妄想的とは言える。 妄想的と妄想の相違点は確信しているかどうかである。あの書き込みのニュアンスだと、むしろ煽りのようでもあり、確信しているようには見えないので妄想と言い難いものが多い。これはパチンコ屋の住人の2次妄想レベルにも及ばないかもしれない(参考)。 もし確信していたとしたら、現在のインターネットの普及率の低さと掲示板に常時いる人たちの希少さが理解できていない(参考)。普通の人を監視するヒマなどないというのが現実であろう。そもそも、そうする

    『インターネットは内向的な世界なのか?』
  • 『うつ状態はどうなったら良いのかが明確でない』

    患者さんが自分がうつ状態と思ったり、あるいは周囲から指摘されて病院に行った時、その人は自分がどこまで良くなると考えているのだろうか?と時々、思ったりする。 風邪のように、あるいはインフルエンザのように、跡形もなく消えてしまうと思っているのだろうか? どこまで良くなるかだが、期待値的には、薬を飲めばまあまあ社会復帰できて、普通に生活できる水準までは可能であろう。運が良ければ薬も必要でなくなる。ただ、これはうつ状態の背景疾患が重要。(今回のタイトルもうつ状態と書いているし) 初期の治療が不調だったり、数軒、病院を廻って良くならなかった時、うつ状態はこの辺りまでしか治らないと錯覚してしまうのは良くないと思う。つまりうつ状態の不調に自分が慣れてしまう感じになる。 その点で「うつ状態」は、目標とする改善のイメージが曖昧になりやすい疾患だと思う。 うつ状態を感じる脳と判断する脳が同じだからであろう。

    『うつ状態はどうなったら良いのかが明確でない』
  • 『1000000 Monsters Attack(Soul'd Out )』

    1000000 Monsters Attack(Soul'd Out ) Soul'd Out(ソウルドアウト)は1999年に結成された才能豊かなHip Hopバンド。最初2001年頃からインディーで活動していたが、2003年、ウェカピポでメジャー・デビューしている。彼らは一応、2MC、1Trackmasterの3人のユニットであるが、他にサポートメンバーが2人いる。 僕はSoul'd Out の曲を初めて聴いた時、その素晴らしさに驚き、彼らは天才ではないかと思った。ここ20年で、初めて聴いた時に天才じゃないかと思ったバンドはレディオヘッドとSoul'd Out だけだ。彼らの楽曲は単に曲作りが器用とか言う以上のものがあると思う。 TOKYO通信~Urbs Communication~(Soul'd Out )2006年の作品。この曲も出来が良い。 上のTOKYO通信~Urbs Commu

    『1000000 Monsters Attack(Soul'd Out )』
  • 『All The Way To Reno (you're gonna be a star)』

    All The Way To Reno (you're gonna be a star)(R.E.M.) 過去ログで出てくるウェールズの人は僕の造語なので、を調べても出てこないし、もし主治医に言ったりしたら、何のことかわかってもらえないであろう。 ウェールズの人は常に自分のペースで生きているので、人生の重要な場面で、自分自身の考えを最も尊重する。これはよく言えば、個性的に生きているわけだが、精神科医からすれば、 人の話を聴きはせん! ということにはなる。もちろん両親も同じことだ。例えば、大学受験なども自分の真にしたいことが可能な大学を選ぶので、客観的に見て、「そこに入学しても就職が困るだろう」と言うアドバイスもあまり受け入れない。よく言えば純粋であるが、ある意味、世間知らずでもある。 結婚の際も相手の一部の良いところに惚れてしまい、現実感がなかったりするため、しばしば周囲から反対される。

    『All The Way To Reno (you're gonna be a star)』
    yuco
    yuco 2009/05/27
    ウェールズの人
  • 『IT従事者のうつ状態』

    ITに従事する人々はしばしばうつ状態を始め、精神変調を来たす人が多いように見える。IT従事者といっても多岐に渡っているが、このエントリでは年がら年中パソコンと向き合っているような人たちを言っている。うちの病院はそこまでの大都会には所在していないのでそれほどではないが、首都圏だと大変な数の患者さんがいそうである。 なぜIT関係者がメンタルヘルスに変調を来たしやすいかだが、以前は単にその労働環境が悪いのではないかと思っていた。納期に間に合わせるために数日連続で徹夜をしていたとか、バグを直すのにうまくいかず、時間に追い詰められ、ハードな仕事を続けていたなどの話を聞いたことがあるから。 あと、パソコンそのものの問題。電磁波を発する上にバーチャルな極めて狭い空間も関係しているのかもしれない。物理的、身体的に視野が広がらないというのもありそう。またパソコンの仕事は光源を見つめ続ける業務でもあり、その辺

    『IT従事者のうつ状態』
  • 『携帯料金と双極性障害』

    かつては携帯電話の料金の多寡は、その患者さんの病状をよく反映していた。今もきっとそういう面はあると思う。 近年は通信費は安価になり、一定の料金を支払って使い放題状態になっている人もいるし、携帯のメールも普及していることから、今は精神症状と通信費の関係は低くなっているかもしれない。過去ログでいろいろなコンテンツをダウンロードし過ぎて浪費してしまった女性患者について触れている。 一般に病状が悪くなると携帯料金が跳ね上がる。(特に双極性障害、単極性うつ状態) 僕は、携帯電話で徹夜できる人がいることを知り、ちょっとびっくりした。携帯コンテンツは以前より多岐にわたっていて面白いサイトが増えているんだと思う。携帯電話で徹夜する人は、ずっと充電しながら携帯を使っているのかも?と思った。 あのような狭い画面を一晩中、目を凝らして見ていると肩こりが酷くならないか?ノートの10.4インチでも肩が凝るのに。 過

    『携帯料金と双極性障害』
  • 『人をうつに陥れる達人』

    普通、こういう人を直接、精神科医が見ることは少ない。たいていは患者さんからの又聞きである。そういう人が上司にいたりすると部下は相当に困惑し悩む。一部の人は精神が耐えられる範囲を突破し、うつ状態や神経症状態になったりする。 そういう人たちがしばしば精神科にやって来るので、「人をうつ状態に陥れる達人」について又聞きの範囲で種々の特徴を掴むことはできる。 まあ徒然なるままに、その特徴を挙げていくと、まずある程度上の役職までなったような人なのでそれなりに能力は高いんだと思う。 しかし彼ら(彼女ら)は、人の気持ちを配慮する能力が欠如しているので、相手を傷つけることを言ってしまったりする。もちろん仕事上で、何がしか言わざるを得ない場面もあるだろう。しかし少なくとも、そんな風に言わなくても良かろうというのが多い。 重要な点は、彼らが相手を深く傷つけたことに気付かない点だと思う。 そういう人たちが、なぜ上

    『人をうつに陥れる達人』
  • 『精神症状と株価暴落が連動している人』

    これは精神科医で、なおかつ株をしているか、日経新聞をとっている人でないとなかなかわからないと思う。 ごく一般的に言うと、精神科病棟で症状悪化する人たちが極端に増加すると、しばしば株式市場ないし債券市場の暴落が生じる。だから、かつて病棟が荒れてくると、 そろそろ何かありそうだ・・ と思ったものであった(今でももちろん思うが)。株式マーケットと統合失調症の人たちの精神症状の連動性については、精神科医になって3年目に気付いた。 僕は中学2年の頃から毎日2時間は日経新聞を読んでいた。日経新聞は好きだったし興味があったのである。だから母親などは僕は経済学部に行くとずっと思っていたらしい(←理系、文系のことが基的にわかっていない。まあ経済学部は理系的ではあるけどね)。 僕はどこの病院でも、素晴らしく株価の暴落に連動している人を発見したが、今の病院では極めて精度が高い人は2名ほどだった(マーケットと連

    『精神症状と株価暴落が連動している人』
    yuco
    yuco 2009/03/01
    面白い。
  • 『ペスト』

    これは「ハメルンチャルメラ」の続きである。 いつだったか、ディスカバリーチャンネルで、14世紀中頃のイタリアの貿易船について紹介されていた。主に、貿易船がいかに簡単な作りあったとか、その貿易船が海から発見されたとか、そのような内容であった。 当時、中国との貿易を盛んに行っていたが、14世紀の半ば、その貿易船の積荷の中にネズミが迷い込み、そのままイタリア、メッシーナに上陸したのである。それに付いていたノミがペストを西ヨーロッパに持ち込み、大流行するに至った。当時の文献では、ヨーロッパの人口の50%、またイタリアの全人口の60%がペストで死亡したという。(ただ、この時は実は「エボラ出血熱?」だったという意見もある) この大事件は、実は、現代社会の特に欧米と日のマイルドな器質性精神疾患の相違と関係しているような気がしている。(言い換えれば、日人と外国人の発達障害?の所見の相違) 実はペストが

    『ペスト』
    yuco
    yuco 2009/01/15
    「現代社会の白人はペストの生き残りであるが、日本人はそうではない」 他にも島国ゆえに守られてきたせいで、弱い病気とかありそうだな
  • 『お医者さまの奥さんのバカぶりについて』

    元々、このブログではこのようなエントリは避けていたが、たまには良いのではないかと思った。アメブロにも尖ったエントリは歓迎されないと書かれてあるし。こういうエントリは滅多に書かないので、たまにアップする時はよく味わって読んでほしい。 僕は親戚に医師や歯科医師が全然いないのであるが、なぜか友人にはそういう関係の人が多かった。過去ログでもそれが出てくる(参考)。そんなこともあり、僕は偶然、子供の頃から長く医師の家庭を観察できる立場にあった。 僕は医者であるが、かつては普通の家庭の子供だった。だからどうしても普通の家庭の視線にはなる。うちには子供がいないので、今でもそういう見方が変わらない。何でも好きなことがいえるのである。 大学入学後、家庭教師に行くことになったが、僕は医者の師弟と普通の家庭の師弟など幾人かを教えた。もちろん家庭の経済レベルは平均より高かった。家庭教師をつけられる家庭はそう多くは

    『お医者さまの奥さんのバカぶりについて』
    yuco
    yuco 2008/06/28
    面白い。Ririkaさんとかも親が凄い金持ちらしくてブランド品買いまくりっぽかったけど(親は医者とは限らないが)、嫁に行けるのかねえと思って見ていたなあ
  • 『エゾウコギの煎じ茶』

    アルコールがダメなので、エゾウコギが飲めないという人がいる。今回はエゾウコギを「煎じる方法」について紹介したい。なお、エゾウコギは手に入りにくいものではなく、楽天などの通販で売っていることがわかった。しかもかなり安価である。実は、この安さには正直驚いた。僕は非常に高価なものをやっと手に入れていたのに。その楽天のショップの1つは読者のブログのコメント欄などに紹介されている。 信頼性については何しろ中国製なので今ひとつなのであるが、従来出回っているものも、たぶん中国製と思われるので同じようなものであろう。エゾウコギは時々葉のようなものが混入している商品もあるが、これはホワイトリカーで漬け込むと濁るので僕は嫌いだ。なんがか不純物が入っているみたいで。しかし、葉が混じるものが効果が下がるかと言えば、おそらくそれほどの差はないと思う。 エゾウコギが物かどうかの判別方法だが、物なら飲み始めて数年は

    『エゾウコギの煎じ茶』
    yuco
    yuco 2008/03/02
    精神病に効くというエゾウコギ http://item.rakuten.co.jp/koujien/e004ec-lll/ こちらが安いらしい
  • 『霊感への憂鬱』

    これは「患者さんの死と霊感」の続きである。 その後、僕は自分の身内ならともかく、患者さんからまでいろいろ影響されるのはこりごりだと思うようになった。持て余すようになったのである。実際、医療にも全く役にたっていないし、自分自身の健康も危うい。そういう風に霊感を疎ましく思っているうちに30歳代後半から霊感の働きが弱くなってきたのである。僕はもうほとんどないくらいに弱くなっていると思っていたが、ある事件が立て続けに起こり、弱くはなっているが、全くないわけではないことがわかった。 ところで、患者さんの死の予知みたいなものは医師の一部に存在しているようである。このように患者さんの自殺の兆しを察知して患者を助けに行く話は、中井久夫氏ができたというのを聞いたことがある。彼は患者さんが自殺することを感じ取り病棟に駆けつけて救ったことが2回あるらしい。 このような患者さんの死の予知について、高名な精神科医に

    『霊感への憂鬱』
    yuco
    yuco 2008/01/11
    西洋医師が語る霊感の話
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