概要 1.独立行政法人 物質・材料研究機構(理事長 潮田 資勝)光・電子材料ユニットのセラミックス化学グループ 鈴木 拓 主幹研究員、菱田 俊一 グループリーダー、極限計測ユニットスピン計測グループ 山内 泰 グループリーダーは、最表面(表面第一原子層)のスピン・元素組成・原子位置の複合分析に世界で初めて成功した。 2.電子は電荷に加え、スピンという磁石のような性質を持っている。電荷とスピンの両方を利用するデバイスはスピントロニクス注1)と呼ばれ、電荷だけを利用する現在のデバイス(エレクトロニクス)に比べて遥かに高い性能が期待されることから、現在、世界中でその開発が進められている。 3.スピントロニクス開発で鍵となるのは、最表面(表面第一原子層)の“スピン”と、元素組成や原子位置に関する“構造”の分析である。このうち、スピンに関しては、最先端の分析技術を用いてもその分析は極めて困難であり、