民主党はよく政治主導という。しかし官僚の代わりに電卓を叩いたり、夜遅くまで仕事をしたりするのを政治主導といわない。 かつて小泉純一郎総理は「総理大臣というのは二つしか仕事がない」と話していた。一つは衆院解散。これは誰でも知っていることだろう。もう一つは人事だ。いろいろ説明をしても、彼からは「うん」と「任せた」以外の言葉はほとんどきいたことがない。小泉流にいえば、人事で任せられる人を選んだということだろう。竹中平蔵さんのことを、自分ではわからないから竹中さんを選んだとはっきりいっていた。そして、郵政民営化では専任大臣として制度設計からすべてを委ねた。 政治家が何かをやりたいときに、自分でやるのではなくどのような部下を選んでやるかが重要だ。私は竹中さんの下で仕事したが、コアメンバーは数名だった。といっても、日常業務もさばかなければいけない。そこで、大臣になると、側近スタッフ以外の役所の人事もと