【ベルリン篠田航一】ナチスドイツが保養所として建設し、その後ほとんど利用されず廃虚となっていたドイツ北部リューゲン島の巨大施設の一部がユースホステルに生まれ変わり、先月営業を始めた。過激な極右集団ネオナチのウェブサイトには、ナチスの保養所「復活」を称賛する書き込みも掲載されたが、ユースホステル側は「危険と判断した客は宿泊を断る」としており、現在までにネオナチ集結などの問題は起きていないという。 施設があるのは、バルト海に浮かぶリューゲン島のプローラ海岸。約4.5キロにわたってコンクリート製の6階建て巨大施設が続き、この一部が「ドイツ最大のユースホステル」(地元紙)に変身した。 ナチスは1936年ごろから、最大2万人を収容できる労働者用の保養所として建設を開始したが、第二次大戦が勃発した39年に中断。戦後は東ドイツに属し、警察や軍が利用した時期もあった。90年のドイツ統一後は政府の管理下に置