「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」のもうひとつの意味 ~アメリカのイラク攻撃に追随する日本の政治エリートたちの言説を聞いて~ 日曜日のフジテレビの政治討論番組で、アメリカが始めようとしている対イラク戦争に世界中で反戦運動が起こっていることに対して、コメンテーターの竹村健一が、この言葉を使って批判した。第2次世界大戦が始まる前、ヒットラーに対してイギリスのチェンバレン首相がとった和平策が結果としてナチスドイツのポーランド侵入を許したという歴史を牽きながら、「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」と言った。 上手いレトリックを使うなと思った。同じ歴史というなら、今からちょうど70年前の1933年、日本が国際連盟を脱退するという出来事があったが、その原因は、満州国建国に至る日本の中国侵略を激しく非難し日本の完全撤退を求める英米の妥協のない決議案が日本に連盟脱退を決意させたためである。こ