通常年末になると、ウォールストリートでは、どこの投資銀行が幾らのボーナスを払ったかといった浮かれた話が多く聞かれます。 しかし今年の話題の中心は、残念ながらそのような明るい話ではなく、「クレジットクランチと金融機関の巨額損失」、「高まる景気後退の可能性とドル安の進行」、「石油を含むコモディティ価格の高騰」、そして「ソブリンウェルスファンド(SWF)の躍進」などのようです。 金融機関の巨額損失 サブプライム住宅ローンとクレジットクランチの問題はその後も広がりを見せており、欧米の大手金融機関は、軒並み巨額損失を計上しています。 WSJなどによると、大手証券のMerrill Lynchが最近$9bn(約9,900億円)の損失を出し、Morgan Stanleyは第3四半期と第4四半期合わせて$10.4bn(約1.2 兆円)、UBSは$14.2bn(約1.6兆円)、そしてCitigroupは、損失