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ブックマーク / cabanon.exblog.jp (6)

  • 目黒のオンデュラトワール | 藤崎圭一郎の雑思録

    所用があって目黒区役所に行ってきました。目黒区役所は、旧千代田生命ビル、村野藤吾設計です。用事を済ませて館内を探索。茶室は入れませんでしたが、中庭を望む和室は自由に入れます。 障子が「オンデュラトワール」してました。オンデュラトワールは、ル・コルビュジエが生み出した、あみだくじみたいな窓割りデザインのことです。コルビュジエは、自ら編み出した寸法体系モデュロールを使って、窓の桟の長さを決めました。 下は、家オンデュラトワール。ル・コルビュジエ設計のラ・トゥーレット修道院に行ったときに撮ったものです。オンデュラトワールは、建築家としてコルビュジエのもとで働いていた現代音楽家クセナキスの寄与するところが大きいとされています。たしかに窓割りが、音楽のように光と影の音楽を奏でています。

    目黒のオンデュラトワール | 藤崎圭一郎の雑思録
  • ブランディング講座 | 藤崎圭一郎の雑思録

    月曜日(6/9)、ある企業で「デザインから見たブランディング講座」と題した講演をしました。2時間弱しゃべりつづけましたが、受講者の方がただ話を聞くばかりだと退屈かもしれないと、手を動かしていただきました。紙と鉛筆をご用意ください。 さて、問題です、次の企業のロゴを描いてください。1) ナイキ 2) マクドナルド 3) NTT 4) フジテレビ 5) 森永製菓 一番描ける方が多かったのはマクドナルド。ナイキとフジテレビも描ける方が多かったです。フジテレビのマークってヒゲ何だっけ?と迷っている人がいました。この吉田カツさんによるマークは相当脳裏に焼き付くようです。 NTTのロゴは亀倉雄策デザインの名作です。ですが、NTTドコモのロゴを描く方がけっこういました。固定電話とケータイの、このところの存在感の差を表しているようでした。NTT自体がかなり影が薄くなっています。けれど、最近ドコモのロゴも

    ブランディング講座 | 藤崎圭一郎の雑思録
  • 後付けニーズ、偽装ニーズ | 藤崎圭一郎の雑思録

    最近激しく感じること。世の中でニーズと呼ばれているものの大半は、作り手・売り手のニーズでできている。 実は作り手のニーズで作られたものなのに、お客様のニーズや住民のニーズから生まれたとされているものが、この世にかなりあるんじゃないか。 地上デジタル放送は誰のニーズなのだろうか。コンパクトデジカメの1200万画素は顧客のニーズなのか。エコ出張は乗客のニーズだろうか。ニーズがあるから中国産にせざるを得ないというのは、あなたの会社が生き残るために「せざるを得ない」ニーズではないのか。「ニーズの創造」とか「ニーズの発見」と口当たりいい言葉で偽装して、受け手のニーズが後付けされていやしないだろうか。 そこにちゃんと顧客のニーズがそこに存在していれば、「実はあなたの会社のニーズでしょ」ってこと自体が悪いわけではない。商品は、作る側・売る側のニーズと買う側・使う側のニーズの両方がバランスよく並び立った状

    後付けニーズ、偽装ニーズ | 藤崎圭一郎の雑思録
  • わかりやすさ | 藤崎圭一郎の雑思録

    「答え」を求めるか。「問い」を求めるか。ここには、大きな違いがあります。たとえば、多くの現代美術が難解だといわれるのは、それが「答え」ではなく「問い」だからです。 大方の現代美術作品は、芸術家の高尚な答えを聞いて、頭が良くなったような気分になりたい人には、たいてい失望をもたらします。 芸術はソリューションビジネスではありません。自分の代わりに誰かが出してくれた名解答ではありません。そこにあるのは「問い」です。問いを受けとめることは面倒なことです。答えは自分の頭で考えなければならないのですから。 投げかけられた問いに対する応えは、解決のための答えである必要がありません。問いを感じとり、さらなる問いを世界に投げかけること。必ずしも言葉で答えを考える必要はない。大切なのは、問いの波紋を広げ、共振を起こすこと。 そこにあるのは、わかりやすい/わかりにくいの問題ではありません。伝わるか/伝わらないか

    わかりやすさ | 藤崎圭一郎の雑思録
  • 冗長美とデモクラシー | 藤崎圭一郎の雑思録

    「寛容」こそ民主主義の要だと信じています。 他人の自由や平等を認め、対話を重んじ、共に生きる知恵を育むことは、すべて「寛容」の精神から生まれると思っているからです。 2005年12月の投稿でそんなことを書きました。 冗長美とは、民主主義の美意識です。選挙って、えらく冗長な意志決定システムじゃないですか。死票は多いし、今回の参院選のように、惨敗した党首が政権が居座ることはできるし。 ま、でも、居座れることを許せる柔軟性こそ、民主主義の特長なのでしょう。毎年選挙をやってそのたびに政権が替わっていたら、それもそれで国が危うい。民意は滔々と大河のように流れ、ゆっくりと政治に反映されたほうが公正な国家運営ができるはずです。一時的な激しさに左右されていては、政治がアジテーションや情報操作によって動かされることになりかねない。 即断即決こそ競争に勝ち抜く秘訣なのでしょうが、民主主義は、あえてひじょうに冗

    冗長美とデモクラシー | 藤崎圭一郎の雑思録
  • ノマディック美術館、よかったです。でも入場料が… | 藤崎圭一郎の雑思録

    坂茂氏設計のノマディック美術館へ行きました。アーティスト、グレゴリー・コルベールの展覧会「ashes and snow」のために設計されたテンポラリーな移動美術館。ニューヨークとロサンゼルスを移動してきて、3月に東京・お台場に上陸したものです。 コンテナを積み上げた外観は、すでに雑誌で見て知っていてあまり驚かなかったのですが、中に入って、その荘厳さに感動しました。必見です。 紙管の列柱が規則正しくシンメトリカルに建ち並び、ゴシック教会の身廊を歩いているような気になります。西洋建築の伝統を引き継いだ幾何学的なプロポーションと、壮大なスケール感、そして実に効果的な照明によって、紙管とコンテナとテントという実に現代的な材料によって作られた空間が、超越的な時間がゆったりと流れる映像作品を鑑賞するのにふさわしい空間に昇華しています。現代オペラの舞台装置の中に立っているような感じも受けました。 サーカ

    ノマディック美術館、よかったです。でも入場料が… | 藤崎圭一郎の雑思録
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