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ブックマーク / hiko1985.hatenablog.com (18)

  • Netflix『TERRACE HOUSE OPENING NEW DOORS』 - 青春ゾンビ

    想いを寄せる安未とのドライブデートが上手くいかなかった雄大。得意の料理で挽回しようと、スーパーへの買い物に安未を誘うも、やんわりと断られてしまう。何もかもが期待どおりに運ばすにふて腐れる雄大は、場の空気を悪くしていく。その子どものような振る舞いを、年上メンバーの貴之から諭されるやいなや、「ギスギスした感じはなくせる」と空気を読まずに安未のいるプレイルームに突入していくも、愛想をつかしている安未はその場から立ち去ってしまう。 貴之「失敗したな」 雄大「失敗でした?」 貴之「来るべきじゃなかったな、雄大は」 雄大「なるほど。でも、ここに来れるくらいのスタンスなんだなってのはアピールできましたね」 貴之「アピール??」 雄大は精一杯の強がりをみせるも、堪えきれず泣き出し、何故かピースサインで涙を拭う・・・6話「First Snowfall」から7話「I Erased Hime From My W

    Netflix『TERRACE HOUSE OPENING NEW DOORS』 - 青春ゾンビ
  • 最近のこと(2018/01/20~) - 青春ゾンビ

    Lampの4月に発売されるニューアルバム『彼女の時計』よりリード曲「Fantasy」のMVが公開。ワンマンのチケット買いそぶれてしまったが、アナログ盤は絶対にゲットしたいものです。とてつもなく寒い日々が続いておりますが、すでに花粉は飛んでいて、コンビニにはいちごサンドが、洋服屋さんにはパステルカラーが立ち並んでいる。記録的な寒波に襲われながらも、春の息吹きを感じなくてはいけないのは忙しい。だけども、春はなにかとドキドキしてしまうので、少しずつ忍び寄ってくるくらいがちょうどいいのかもしれない。いきなり「はい、明日から春です」だなんて言われたら、まともな神経だったらイカれてしまうでしょう。「セブンイレブンのいちごサンドと言えば、BUMP OF CHICKENの藤原基央」という10年以上前に植え付けられた情報が未だに頭にこびりついていて、コンビニで見かける度に「状況はどうだい?」と思ってしまう。

    最近のこと(2018/01/20~) - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2018/01/31
    「最近のこと」というトピックが好きです。実は内容をしっかりチェックしているわけではないのですが、おいしい水のような快いのどごしで読むエッセイとして読んでいます。
  • 野木亜紀子『アンナチュラル』2話 - 青春ゾンビ

    圧巻の完成度を誇った1話が沸点かと思いきや、続く2話もなんら緩むことなくおもしろい。恋はスリル、ショック、サスペンス(©愛内里菜)とでもいうようなエンターテインメント性を保ちながら、芯をくった人間ドラマが並走している。坂元裕二『anone』と野木亜紀子『アンナチュラル』、まったくタイプの異なる2の傑作を同クールで鑑賞できるこの2018年の冬は、後のテレビドラマ史において語り草となるに違いありません。不明瞭で複雑ゆえに豊かな『anone』、単純明快でポップな『アンナチュラル』、というように対比させたくもなるのだが、実のところ『アンナチュラル』もかなり攻めたドラマである。その展開は目まぐるしいほどに速い。誰もが同時多発的に喋り出し、通常のドラマであれば”ノイズ”とされるような環境音や生活音が当たり前のように役者の台詞に被ってくる。2話で言えば、冒頭の会話を切り裂くパトカーのサイレン音の堂々た

    野木亜紀子『アンナチュラル』2話 - 青春ゾンビ
  • 最近のこと(2018/01/09~) - 青春ゾンビ

    日発売の『美術手帖』2月号「テレビドラマ特集号」に畏れ多くも寄稿しております。このブログの「最近のこと」を熱心に読んでくださっている方、私が妙に坂元裕二の過去作ばかり観て、あげくに体調を大幅に崩している時期があったことを覚えておりませんでしょうか。この原稿です。私のようなペーペーが『美術手帖』のような雑誌に文章を載せていいものかと悩みに悩みましたが、他の人が書く「坂元裕二」論を読むのも悔しいに違いないぞと決心し、ヒーヒー言いながら書きました。ぜひともお読みください。 美術手帖2018年2月号 作者: 美術手帖編集部出版社/メーカー: 美術出版社発売日: 2018/01/17メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る山田太一先生と同じ誌面に収まることができて、テレビドラマファンとして当にうれしいです。ときに「ヒコ」ってペンネーム、気が抜けていて締まらない気がするので、誰かかっ

    最近のこと(2018/01/09~) - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2018/01/17
    基本的に私は他人に日記ブログにはほぼ興味がないタイプなんだけれど、この人のなんてことない日常を綴った日記は、不思議なくらいするりと読める。「美術手帳」読んでみます。
  • 野木亜紀子『アンナチュラル』1話 - 青春ゾンビ

    うおー。思わず声が出てしまうほどにおもしろいではありませんか。脚、役者、演出、編集、劇伴、衣装・・・あらゆる要素が90点越えを叩き出す超優等生の登場である。脚は野木亜紀子。『空飛ぶ広報室』(2013)、『重版出来!』(2016)、『逃げるは恥だが役に立つ』(2016)などで高い評価を得た、原作もののスペシャリストがついにオリジナル脚テレビドラマを手掛けるということで、期待値は高かったのですが、その予想の遥か上をいく完成度。ここ20年のテレビドラマの軌跡と叡智の結晶というような感触を覚える。そう考えると、”遺体解剖”という作品のモチーフはあまりにもはまっている。野木亜紀子は相当のテレビドラマフリークであると聞く。 テレビドラマの過去のアーカイブス(≒死体)を暴き出し、「このドラマは何故おもしろいのだろう?」というのを徹底的に究明し、未来へと繋げた成果が、この『アンナチュラル』なのであ

    野木亜紀子『アンナチュラル』1話 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2018/01/15
    テクニカル!なんか内容が気になるワードだ。個人的にはずんの飯尾さんが気になる。彼が友近と組んでコントをすると、友近の持っている独特の「くさみ」みたいなものがいい風に味わい深くなる気がする。
  • 宮藤官九郎『監獄のお姫さま』最終話 - 青春ゾンビ

    最終話、ここぞとばかりに時系列をシャッフルして事の真相が語られていくわけだけども、「計画は失敗に終わった・・・と見せかけて、実は成功でした」というような視聴者への揺さぶりは、どうにも下品に感じる。決定的な証拠を手にして、それなりの勝算があったはずなのに、留置所で先生(満島ひかり)が涙を流す、なんていうシーンはフェイクが過ぎる。そう考えると、作品のピークは8話から9話にかけてだった。怒涛の伏線回収で、仲間が再集結し、1話の時間軸へと戻っていく(=進んでいく)様には、たまらなく興奮させられたものだ。エピソードが補完されることで、色違いでお揃いのiPhoneケースとネイル、1丸ごとのローストビーフ、戦隊モノのコスプレ・・・・1話の段階では空滑っているように見えた全ての事象が愛おしい。「メンバーが再集結して、計画が実行される」という結果はわかりすぎるほどにわかっているはずなのに、その過程に一喜一

    宮藤官九郎『監獄のお姫さま』最終話 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/12/22
    本当の世界は混沌として、まとまりや整合性なんかない。クドカンのドラマは、そのことをどこか優しい形で描いている気がする。優しいから嘘なんだけれど、大人が生きていくためには「白い嘘」が必要なのかもしれない
  • 宮藤官九郎『監獄のお姫さま』8話 - 青春ゾンビ

    宮藤官九郎が描くテレビドラマはいつだって、社会からはみ出した者たちを描く。その”はみだし”は土地、学歴年収恋愛経験といった普遍的なコンプレックスに起因するものはもちろんだが、とりわけプロデューサー磯山晶と組むTBS制作クドカンドラマが常に主役に据えてきたのは、執拗に犯罪者であった。人は誰もが罪を抱えて生きているのだと言わんばかりに。『池袋ウエストゲートパーク』(2000)ではカラーギャング、『木更津キャッツアイ』(2002)では泥棒、『タイガー&ドラゴン』(2005)ではヤクザ、『流星の絆』(2008)では詐欺グループ、『うぬぼれ刑事』(2010)では犯罪者に恋する刑事、『ごめんね青春!』(2014)では放火魔・・・そして、この『監獄のお姫さま』(2017)ではとうとう受刑者だ。そんなはみ出し者たちが、ルールや倫理のようなものを大幅にはみ出しながら、それでも懸命に”血の通った人間”であ

    宮藤官九郎『監獄のお姫さま』8話 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/12/09
    クドカン好きなのくせに見てなかったんだけれど、「面白いんじゃね?」と気がついた。時間軸が飛ぶのが楽しい。あと「クドカンの脚本の中の塚本高史」がバカで好き。
  • 最近のこと(2017/09/27~) - 青春ゾンビ

    youtu.be SaToAの新曲「Light」のMVである。天才だ...メロディも歌唱もパーフェクトだけど、演奏の音色とフィーリングが最高×100。さて、10月になってしまった。ありきたりなことをペラペラと並び立てると、何をするにもちょうどいい素敵な季節が訪れた一方で、今年もあと3ヶ月だとかと焦ります。しかし、当に時の流れが早い。『カルテット』観てたのなんて、ついこの間な気がするのだけど、あれは年初の出来事らしい。珍しくこの「最近のこと」を書き漏らさず、更新できそうである。月末・月初はブログ更新へのモチベーションが高い傾向にある気がする。 水曜日。帰りにスーパーでハムと卵を買って、丁寧にハムエッグを作ったら、丁寧な分しっかり美味しかった。思い切って卵を3個も使ってやった。「卵はコレステロールが多いので、1日1個まで」という古からの教えはもう定説ではないようだ。板東英二と眞鍋かをりの人体

    最近のこと(2017/09/27~) - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/10/05
    他愛ない話。でも不思議なくらい読後感が良い。
  • 若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』 - 青春ゾンビ

    星野源とオードリー若林正恭。この国の”生き辛さ”を抱える人々のか細き声を代弁してきたメディアスターだ。”人見知り”という自虐を武器に成り上がってきた2人だが、年齢を重ね、活躍のステージを上げていくにつれ、奇しくも共に”人見知り”を克服した旨の宣言をする。しかし、その語り口は大きく異なる。星野源の"それ"について語り出すと止まらなくなってしまうので、ここでは若林正恭の脱・人見知り宣言にフォーカスしてみよう。様々な場所でおもしろおかしく語っているのだが、比較的音が聞けるであろうラジオでは、以下のような意味合いのことを語っていた。 人見知りは若い子たちのもの 年齢を重ねた自分は、飲み会などで居心地の悪そうな若い子たちに、 気を遣っていかなくてはならない立場になった この語りからもわかるように若林正恭の抱える”生き辛さ”の視線は、個人を超え、広く社会に向けられ始める。若林は40歳を目前にして、ニ

    若林正恭『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/08/09
    確かになんで春日(私の中ではお笑いの人というよりボディビルダー感が強い)と思う部分があったので、若林の中で“そういうこと”になっているのかと妄想コミで納得してしまいました。
  • 坂元裕二×是枝裕和トークショー『ドラマの神様は細部に宿る』 - 青春ゾンビ

    坂元裕二と是枝裕和、この字面の並び!!何度だって反芻したい。坂元裕二×是枝裕和トークショー『ドラマの神様は細部に宿る』に参加してきたのだ。”テレビドラマ”を語るにおいて、この上ない組み合わせを実現させた早稲田大学演劇博物館に溢れんばかりの感謝を。当初は300人収容の会場での開催予定だったのだが、予約が殺到し、急遽1000人収容の大隈記念講堂に会場を変更したわけですが、それでも収まりきらない需要。当日は中継映像を流す会場まで設置されていた。泣く泣く予約を諦めたという方もたくさんいらっしゃると思いますので、この日、会場を包んでいた穏やかながらも確かな興奮を伴なった”熱”のようなものを少しでもレポートできたらと。 トークショーは互いの作品の好きなシーンをスクリーンで流し、気になるポイントを質問するというシンプルなスタイルで進行した。クリエイター同士の質疑は非常に示唆に富み、刺激的でありました。ま

    坂元裕二×是枝裕和トークショー『ドラマの神様は細部に宿る』 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/07/03
    なぜかちょっと泣きそうになってしまった。(自分でも理由はナゾ)多分これが、テレビドラマで恐ろしく儚いものを書こうとして、それが見る人に伝わったのがわかったひどく幸福な時間のレポートだからだろうな。
  • 最近のこと(2017/03/17~) - 青春ゾンビ

    最近のことを書きます。先週の金曜日。この日も携帯なしの生活が続く。セブンイレブンがおにぎり100円均一セールをしていたので、いつもは買わないけども、お昼用におにぎりを買った。貧乏性なのでなるべく高いやつを、と普段160円くらいする鮭イクラのおにぎりをチョイス。ときに、イクラがコンビニとかファミレスでべられるようになった時、凄く驚いた。イクラのような尊いものを手軽にべられるようになったいいものか、と。実際に高価なべ物なのだけど、幼い頃に抱いたイクラへの畏敬の念は強かった。鶏の卵以上に卵感があるというか、確かな生命の息吹きみたいなものを感じるルックスに神秘を見たのだろう。そして、何と言っても旨いのだから。お酒が飲めないのに、プリン体が気になるようなべ物ばかりを舌が好んでいて困ってしまう。 youtu.be サニーデイ・サービス「夢見るようなくちびるに」を曽我部恵一とハイハワで披露してい

    最近のこと(2017/03/17~) - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/06/15
    だらだらしていて、それだから読んでいるとじわじわ楽しくなるという文章。
  • 白石和彌『日本で一番悪い奴ら』 - 青春ゾンビ

    素晴らしい。ススキノ青春狂騒曲、とでも呼びたくなるような古き良き日映画のヴァイブスを発している。汚職、裏金、ヤクザ、チャカ、ドラッグ、セックス(所謂シャブマンだ!)etc・・・と題材はどこまでもインモラルでありながら、「友情・努力・勝利(そして敗北)」の三原則が貫かれたポジティブなエルネギ―に満ちた青春活劇に仕上がっているのだ。そんな二律背反とも言える奇妙なバランスを成立させてしまった主演・綾野剛の素晴らしさよ。岩井俊二の『リップヴァンウィンクルの花嫁』(2016)での好演も忘れ難いが、また別のベクトルで突き抜けている。主観の心情が語られないイレモノのような男を演じる際、綾野剛は既にトップランカーの俳優である。女性を描く事への興味のなさ(キャスティングも一切“旬”ではない)は、前述の三原則を適用した『週刊少年ジャンプ』のバトル漫画のようでもあるし、北野映画のようでもある。対して、脇を固め

    白石和彌『日本で一番悪い奴ら』 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/06/15
    考察が面白いので、もっと長い批評が読みたかった!
  • 西谷弘『昼顔』 - 青春ゾンビ

    互いにと夫のある身でありながら、どうしようもないほどに惹かれ合い、結ばれてしまった北野(斎藤工)と紗和(上戸彩)。テレビドラマ版のラストではその罪を罰されるかのように業火に包まれた。あれから3年、北野との一切の接触を禁じられた紗和は、自らの”炎”を静めるかのように、水の豊かな海辺の街で暮らしている。監督の西谷弘は、『任侠ヘルパー』(2012)、『真夏の方程式』(2013)といったフィルモグラフィを見渡しても、執拗に”海”を捉える作家であり、この導入は必然だ。そんな陽光豊かな夏の街に不釣り合いな、黒とグレーを基調としたモノトーンの衣服を身に纏い、声を小さくしている。紗和のその声の小ささを印象づけるように、騒がしい魚屋(渋川清彦)が配置され、職場では絹江(黒沢あすか)に「声が小さい!」と叱咤される。 何にも期待せず、ただやり過ごすだけの生活を送る。アルコールを缶のまま飲み干し、ポストに投入さ

    西谷弘『昼顔』 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/06/15
    いつも楽しく読んでいます。私はふだんこの手のドラマに全く関心のないタイプなんですが、“解説”のあまりの素晴らしさに心惹かれてしまいました。映画の世界観をそっとなぞるように差し出された気持ちがしますね。
  • 坂元裕二『カルテット』最終話 - 青春ゾンビ

    『カルテット』がついに終わってしまった。なんたる幸福な3ヵ月であったことだろうか。坂元裕二の最高傑作か否かという判断は観終えたばかりなので留保するが、間違いなく『それでも、生きてゆく』(2011)、『最高の離婚』(2013)という燦然と輝くマスターピースに肩を並べる作品の誕生である。坂元裕二への強烈な愛を叫びながらも、作家としてのピークはもう過ぎてしまったのではないだろうか、と密かに案じていた自身を恥じ、そして喜びたい。『カルテット』ではこれまでの得意技を更に研ぎ澄まし、時代の空気に適応しながら、新しい領域に果敢に突入している。坂元裕二はまだまだ我々の心をおおいに揺らし続けてくれることだろう。さて、最終話ということですが、物語としてのピークは9話で終えていて、まさにエピローグという印象。これまで鳴らしてきたいくつかのテーマを丁寧に再確認しながらも、”永遠に終わらない”という稀有な感覚を画面

    坂元裕二『カルテット』最終話 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/03/23
    綺麗な病気を患っているようなレビューでした。おつかれさまです。
  • 坂元裕二『カルテット』5話 - 青春ゾンビ

    30分の放送を経て、やっとのことタイトルバックが現れる。その直前に披露されるのはカルテットによる実に幸福な路上演奏だ。1話のオープニングを思い出したい。路上でチェロを独奏する世吹すずめ(満島ひかり)に足を止めるものはいなかった。誰からも耳を傾けられることのなかったその音色が、彼女の運命共同体であるカルテットとして奏でられると、かくも”世の中”に浸透する。しかし、このシーンがほとんど夢のような鮮度でもって撮られているのが気になる。演奏するカルテットの表情、演奏に手拍子で称える人々。あまりの多幸感に、えもすれば覚めることへの切なさすら伴ってしまう、あの”夢”のような鮮度である。たまたま居合わせたノリのいい外人の煽りを端にして続々と道行く人が集まり、踊り出す。果たして、こんなことありえるだろうか?この過酷な現実においては、路上で無許可で演奏しようものなら、たちまち警察が現れるのではなかったか(3

    坂元裕二『カルテット』5話 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/02/16
    そう!“まさか”のクドカンでした。しかも岡崎京子のリバースエッジを引き合いだすとはなんかズルい。(めちゃめちゃ褒めてます)
  • 坂元裕二『カルテット』4話 - 青春ゾンビ

    軽井沢の別荘にゴミが溜まっていく。なるほど、カルテットのメンバーは皆一様にして”捨てられない人”だ。たとえば、すずめ(満島ひかり)ならば同僚からの”出てけ”のメモを引き出しが一杯になるまで溜め続けていたし、巻(松たか子)は失踪した夫の下をそのままの形で保存する。別府(松田龍平)は長年の巻への片想い、家森(高橋一生)は別れた家族への想い、もしくは”アジフライにはソース”というこだわりを捨てられない。この捨てられなさは当然、”呪い”というイメージと結びついていることだろう。捨てられないゴミは腐臭を放ち、別荘の部屋に侵してくる。この”侵入”のイメージが4話のキ―である。ゴミに続いて、半田が、そして鏡子(の眼鏡)が、光太が、茶馬子が、次々に他者が別荘に侵入してくる。これまでカルテット以外に別荘に入ったのは、有朱だけ。しかし、それはすずめのみが在宅中の時であったはず。4人が揃った別荘に他者が侵入

    坂元裕二『カルテット』4話 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/02/09
    ゾワっとするほどよくできている美しい批評ですね。
  • 坂元裕二『カルテット』3話 - 青春ゾンビ

    親子でしょ? という岩瀬純(前田旺志郎)の屈託のない問いかけが、世吹すずめ(満島ひかり)に纏わりつく”呪い”をギュっと締めつける。20年以上音信を絶っていた父の危篤。家族の死に目には駆けつけるのがホームドラマの定石、いや、この世界の”常識”のようなものだ。想いを寄せる別府司(松田龍平)との会話がフラッシュバックしたことだろう。 家族のお祝い事なんで帰ります “世界の別府ファミリー”から除外され苦しんでいるで別府すら、家族というフレーズの前にはひれ伏さざるえない。しかし、すずめにとって父はどうしても許すことのできない存在だ。最期の最期で全部をなかったことにして、”いい人”になろうとしている父が許せない。 怒られるかな…ダメかな 家族だから行かなきゃダメかな 行かなきゃ… その零れる小さな叫びを聞き、それまで「病院に行こう」の一点張りであった巻真紀(松たか子)が、ギュっと手を握り、「逃げよう」

    坂元裕二『カルテット』3話 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2017/02/02
    批評に対する感想としては的外れなのだろうが、なんかすごく綺麗な文章だと感じた。ドラマというか脚本に対する愛、もしくは敬意のようなものがある気がする。役者さんたちの演技や演出への細かい目線が素晴らしい。
  • 野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』最終話 - 青春ゾンビ

    みくりさんは自分の事を”普通じゃない”と言うが 今更です とっくに知ってました たいしたことじゃありません 僕達は最初から普通じゃなかった という平匡(星野源)の台詞にもあるが、このドラマの登場人物はみな一様に、世間一般で言うところの”普通”に該当しない。故に「普通ならばこうあるべき」というレッテル貼りに苦しみ、傷つけれてきた。男らしくあるべき、いい歳なんだから結婚しなさい、女は子どもを産まなくてはならない、女は若いほうが優れている、愛の対象は異性に向けられるのが普通etc・・・こういった数々のレッテルをユリちゃん(石田ゆり子)は”呪い”と名付け、 そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい と、テレビの前の視聴者に向けて語りかける。このドラマにおける最も感動的なシーンの1つだろう。しかし、”呪縛”という言葉がある通り、逃げても逃げても、へばり付いて離れない呪いというのは往々にして

    野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』最終話 - 青春ゾンビ
    yuriyuri14
    yuriyuri14 2016/12/22
    私もユリちゃんのシーンで、相手役の女の子が映っていないのは、野木さんのメッセージじゃないかなと思った。「ドアをノックするのは誰?」には気づかず。改めて思い返すと、かなりメッセージ性のある脚本だ。
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