生きることは、見ること。写真作家・佐藤淳一が動物園水族館と生息地を訪ねます。カワウソがいてもいなくてもひたすら訪ねます。 脇谷閘門へ行ってきた。10年ぶりである。 脇谷閘門は宮城県にあって、新旧の北上川が分流する地点に船を通すために、昔からがんばっている。昔といっても30年や40年程度ではなくで、何と昭和7年(1932年)の完成だ。つまりもう75歳を越えているがちゃんと現役である。東京近辺で言ったら六郷水門とか川崎河港水門と同年代であり、近代化遺産としてもっとちやほやされていいと思う。でも決してアクセシビリティがいいとは言えない場所にあるので土木関係者しか知らない。ちょっとかわいそうだ。 脇谷閘門の全景。左が閘門部で、右が洗堰と呼ばれる部分。洗堰というのは、ここの場合、普段は穴(オリフィス)からほどほどの水が旧北上川へ流れ出ているが、洪水になったときには堤体を一気に乗り越えて通常時より大量