感想を述べるのが“怖くなる”――瀧内公美×河合優実「由宇子の天秤」を巡る対話瀧内公美(左)、河合優実(右)瀧内公美(衣装:a pupil/ヘアメイク:小林潤子(AVGVST))、河合優実(ヘアメイク:イケナガハルミ、スタイリスト:吉田達哉) 「必見」という言葉を、多用・乱用してしまえば、本来の意味合いが薄まってしまう。だからこそ、その2文字を極力避けながら「見てほしい」と感じた作品を世に広めていく。これが、私の仕事だと思っている。だが、1年に数回、作品から放たれたエネルギーにあてられてしまい、鑑賞直後、放心のまま「必見」という言葉しか紡ぐことができない時が訪れる。さて、何が言いたいのか。「由宇子の天秤」は、「必見」を使うに値にする傑作だということだ。 「かぞくへ」の春本雄二郎監督が長編第2作として世に放った「由宇子の天秤」。企画の発端となったのは、2014年の出来事。春本監督は、あるいじめ