ある女性は一緒に飲みに行った職場の先輩にレイプされ、その後2年間もその男と働くことを強いられた。同僚にレイプされた別の女性は、職場内にある教会の牧師に助けを求めると「レイプされたのは神の思し召しに違いない」と言われたという。 彼女たちが働いていた職場──それは米軍だ。 上で紹介した話は今週、バージニア州の連邦地裁で、ロバート・ゲーツ米国防長官とドナルド・ラムズフェルド前国防長官を相手取って集団訴訟を起こした人々の体験談だ。女性15人と男性2人で構成する原告団は、米軍内でレイプや性的暴行が増加する状況を国防長官が放置してきたと主張している。 昨年3月の報告書によると、09年度に米軍内で起きた性犯罪の件数は前年比11%上昇。しかしこの数字は実際の件数の20%程度に過ぎないだろうと、国防総省は認めている。 軍は特殊な職場環境ではあるが、性犯罪がはびこるのは軍だけではない。ある統計によれば、アメリ