東日本大震災による生活難につけこみ、違法な高金利でカネを貸すヤミ金業者による被害が出始めている。当座の生活費にもこと欠く中、やむにやまれず借りてしまうケースが多い。義援金などを目当てにした業者もあり、国や自治体などは注意を呼びかけている。【大久保渉】 「仕事がなくなって、家族を養えない」。東京都内のヤミ金業者に、北海道苫小牧市の50代男性から疲れ切った声で電話が入ったのは4月半ばだった。宮城県の製紙工場の関連会社が苫小牧市にあり、男性はそこで働いていたが、震災で製紙工場が生産を停止し、そのあおりで勤務先が倒産。妻と子ども3人を養う当座の生活資金15万円の融資を求めた。過去に消費者金融の借金を返済できず、消費者金融から借りられなくなったため、数年前に融資を持ちかけてきたことがあるヤミ金にすがったようだ。 利息は法定金利(年15~20%)の20倍以上の月40%。毎月の返済額は利息だけで6万円。