今年初め、新薬の治験で被験者1名が死亡、5名が何らかの神経系合併症を起こすという悲劇的事故がフランスで発生しました。治験を行なったポルトガルの製薬会社バイアル(Bial)が、この事実をプレスリリースで公表しました。治療にあたっている医師によると、患者には治療不可能な脳障害が残る可能性があるということです。コード名BIA 10-2474という今回の新薬の詳細は完全には公表されていませんが、開発業務受託企業として有名なバイオトライアル(Biotrial)はこの新薬について、大麻に類似した化合物をもとに、パーキンソン病の不安障害、運動疾患、慢性痛、多発性硬化症、高血圧、肥満などの治療目的で開発されたものだと公表しました。 バイアル社は動物実験での成功後、治験フェーズ1で健康な人間に治験薬を投与し、安全性と有効性を確認していました。治験は2015年7月に開始され、治験薬が投与された健康な治験参加者