Text:OOPS!編集部/Photo:Takuya_Murata ゆらゆら帝国の解散から約1年半。バンドの中心人物であった坂本慎太郎が初のソロ・アルバム『幻とのつきあい方』を発表した。20年に及ぶバンド活動に終止符を打ち、一時は「音楽をやらなくてもいいかなって気持ち」にまで至ったという彼が、まっさらな地平から作り上げたのは、何気ない風情の歌もの集。エッジーな感触やフリーキーな要素のない、軽やかでグル―ヴィーでメロディアスな楽曲の数々は、そこら辺に転がっているありふれたポップスのようであり……しかし何かが違う。坂本慎太郎に話を伺った。 2010年の3月にゆらゆら帝国が解散したわけですが、その時点で次はこれをしようというアイデアはお持ちでしたか? 坂本慎太郎の1stソロ・アルバム『幻とのつきあい方』 坂本まったくなかったですね。何もやる気がしなくて。無理に動こうとするのも嫌だったんで、自然に
マルチ・インストゥルメンタリストとして扱ってきた楽器と彼女の声が、初めて同等になった作品といえるだろう。 渋谷アップリンク・ファクトリーでの体感試聴会に出演した石橋英子 去る2010年12月20日、渋谷アップリンク・ファクトリーで石橋英子が新作『carapace』リリースに先立ち体感試聴会のゲストに登場した。様々なミュージシャンの制作やライブに参加するとともに、弾き語り、バンド編成ともにソロのライブ活動も活発化させてきた彼女。通算3作目となるアルバム『carapace』は盟友ジム・オルークをプロデューサーに迎え、彼女の歌とメロディにフォーカスが当てられた作品となっている。この日は、リリースに先駆けた全曲の先行試聴会の後に、トークゲストに登場。静謐さとイノベイティブな楽曲構成を併せ持つ彼女の音楽の真価が発揮されたアルバムについて語った。 亀の甲羅を触ったあのいびつな感じを今でも覚えている ─
『Remix』誌で年間ベストに選ばれるなど、大きな話題を呼んだ前作『drifting devil』から約2年ぶりとなる石橋英子の新作『carapace』。ジム・オルークがプロデュースを務め、録音・ミックス・演奏と全面的に関わった本作は、ライブでの再現性を重視して、ピアノと歌だけでも成り立つことを意識したというシンプルな作品でありながら、的確に配置された管弦楽器の響きも印象的な、実に味わい深い作品となっている。年明けから良作の続く2011年だが、その中でも最も厳かに、しかし力強く、新しい年の幕開けを飾る作品と言えるだろう。 約10年間に渡ったPANICSMILEとしての活動終了から始まり、七尾旅人、長谷川健一、Phewといった数々のアーティストとの共演を経て、『carapace』へとたどり着いた2010年を評して、石橋は「自分の中で何かが壊れた一年だった」という。はたして、その真意とは? (
ムーンライダーズとの共演を果たした映画主題歌『ゲゲゲの女房のうた』も話題の小島麻由美が、自身初となるライブDVDをリリースした。監督にタケイ・グッドマンを迎えた『BLUE RONDO LIVE!』は今年5月、アルバム『BLUE RONDO』発売後に行われた赤坂BLITZの公演を収録。最新作からの楽曲はもちろん、ライブでの人気曲まで、ライブのダイナミズムをパッケージした今作は、彼女の次の創作への手がかりとも言える。郷愁とほがらかなポップセンスを交え、マイペースな活動を続ける創作意欲について聞いた。 パッと聴いて何を歌ってるのかが解る、というのがいい ―― 普段の曲作りにおいて、一過性の流行の言葉ではない、聴き手がイメージを広げられる歌詞ということは意識しますか? 背伸びをしないで、あまり難しい言葉を使わないことですよね。あと聴いてきれいな響きのほうがいい。そういうことはちょこっと考えます。
日本の音楽シーンに大きなインパクトを与えた、福岡出身のロック・バンド、ナンバーガールでの活動を経て、現在はZAZEN BOYSのフロントマンとして活躍する向井秀徳。日本人の父親とスウェーデン人の母親との間に生まれ、小学校、中学校、大学をイギリスで過ごした後、’06年に日本で本格的にアーティスト活動をスタートさせたシンガー・ソングライター、LEO今井。そのユニークな個性と音楽性で話題を集めてきた二人が、全く新しい音楽プロジェクトを始動させた。その名は、KIMONOS(キモノズ)。LEO今井は、向井秀徳がつくり出す実験的なオルタナティブ・ロック・サウンドに魅力を感じ、向井秀徳は、LEO今井が持つピーター・ガブリエルやブライアン・フェリーを彷彿とさせる洋楽的なメロディー・センスに関心を抱き、自然と二人で曲づくりをするようになったという。 そんな彼らが、大きな反響を呼んだ12インチ/iTunes限
5月に発表された2枚組のカップリング・ベスト『僕の住んでいた街』で、キャリア初のオリコン・チャート1位を獲得したくるりのニューアルバム『言葉にならない、笑顔を見せてくれよ』は、ポップ・ミュージックのあり方をもう一度見つめ直すための作品である。シンプルな3ピース編成で、地元・京都で録音された本作は、岸田繁いわく「スペックの低い電車」であり、特別なトピックがあるわけでもなければ、ジャンル間の横断・融合といったお題目があるわけでもない(くるりの場合、それは前提として内包されているのだが)。しかし、ふとチャートに目を落としてみると、そんなスペックの低い、低性能な音楽こそが、実は今もっとも世の中に欠けている音楽であり、本作のようにある意味では気楽に、自由に楽しめる音楽こそが必要なのではないかと気づかされる。ゆったりとしたアルバムのテンションとは真逆のその反骨心が、実にくるりらしいアルバムなのだ。 (
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