「図書館で貸し出されると本が売れなくなる」といった旨の話をする出版社の方がいて、それに対して反発する方(図書館関係者はもちろんだと思うけど出版社でも)がいる。実際のところどうなのか、ということで、資料を引っ張り出してきて、相関が「ある」とか「無い」とかそういう話になる。 感想も含めて業界関係者にも色んな「意見」はあると思うが、今ひとつスカっとしない。なぜかと言うと、「本が売れなくなったのは図書館のせいだ」という意見も、「いやいや、図書館が読書習慣を拡大することで本がもっと売れるんだ」という意見も、万人が見て文句なく納得できるような説得力のある資料や数字が出てこないからだろう。 では、どういう資料や数字があれば「図書館で貸し出されると本が売れなくなる」と思うのだろうか。今回はそれを考えてみたい。 と、その前に。自分はこれ、出版社でよくある「証明できない現実的な問題」のひとつだと思っている。働
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