吉見義明氏が毎日新聞のインタビューで、慰安婦問題について語っている。この記事は見出しで「『従軍慰安婦はデマ』というデマ」と書き、本文では「慰安婦問題はデマ」と書くなど混乱している。この問題を風化させないためにも、話を整理しておこう。 まず「従軍慰安婦」という軍属は存在しない。慰安婦という言葉も戦時中はほとんど使われていなかったが、日本軍が戦場で慰安所を管理し、そこに娼婦がいたことは事実である。それを「デマだ」という人はいない。娼婦は朝鮮戦争にもベトナム戦争にもいた。 しかし慰安婦と慰安婦問題は別である。吉見氏は「慰安婦問題は完全なデマなんだから。軍が関与して強制連行はなかったわけだから」という松井一郎氏の発言を批判しているが、この発言は正しい。慰安婦問題を作り出したのは、吉見氏と朝日新聞なのだ。 1991年に初めて「私は慰安婦だった」と名乗る女性が出てきたときは、大した問題ではなかった。彼