浅田彰以降、現代にいたるまでの「思想」分野の「論壇」の流れが非常にすっきりと描かれている。 非常に有益。ま、それだけわたしが無知だったということだが。、結局、ほとんどこの手の「思想」にはタッチすることなく、いままで来たわけである。これを読んであのころこんなことが起こっていたのか、と納得する。だが、ここで言われている思想とは何だったのだろう? 浅田彰の時代には、思想というのは、基本的なフランス現代思想をベースにして、その理論的な枠組みから現代を読み解こうとするものだったように思われる。そして、当時の若い人たちは、浅田らの著作をある集の社会学と人生哲学を合わせたものとして読んでいたようだ。つまり社会的現実を理論的に把握し、それに基づいて、生きる態度や実践を導くためのものだったように思われる。実際にそのような役割を果たしえたかは別として、そのような役割を果たすものが期待されて、あれだけ読まれたの