靖国神社に無断で合祀(ごうし)され精神的苦痛を受けたとして、戦没者の遺族9人と「英霊」として祭られた生存男性(86)の韓国人計10人が、靖国神社と国に合祀の取り消しなどを求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。高橋譲裁判長は「法的利益が侵害されたとは認められない」などとして、請求を棄却した。 韓国人が靖国神社に合祀取り消しを求めた訴訟の判決は初めて。判決によると、靖国神社は昭和34年、国の戦没者情報に基づき、日本軍の軍人・軍属だった生存男性を含む韓国人11人を合祀した。遺族らは「自国の習俗で故人を追悼する権利を侵害された」などと主張していた。 高橋裁判長は、「強制や不利益を伴わない限り、他者の信仰の自由に寛容であることを要請する」とした63年の最高裁判決に言及。「靖国神社への拒否感は理解し得ないわけではないが、法的救済は認められない」とした。 生存男性の合祀についても「当時の情報は限ら