中国の戦略専門家の間では、習近平総書記の方針に沿い、「富国強兵」が地政学的な戦略の根本原則ととらえられている。 海洋の地政的な価値には、海底資源の存在、海上交通の動脈としての価値、国民経済の一環としての重要性などがあり、海洋は人類全体の経済発展のために不可欠な巨大空間であるとみられている。 それと同時に、人類の戦争はもともと陸上が主であったが、次第に海岸、近海から遠洋に戦争の場が拡大し、海洋の戦略的な重要性が高まってきたとも指摘している*1。 このように、海洋は人類共通の資産ではあるが、争奪の場でもあるととらえており、「富国強兵」を原則とする以上、軍事力を背景とする海洋進出が重視されることになる。 中国は、地理的に三方が陸地に囲まれており、海洋は東正面にしか存在しない。中国が面する海洋は大きく、南海、東海、黄海の3方面に区分されるが、これら3方面の海洋への進出の必要性が、より重視されるよう