男性の母が入所する特別養護老人ホームの利用料領収書。8月以降、食費の負担額が倍増した(画像の一部を修整しています) 「特別養護老人ホームで暮らす母の月額利用料が急に2万2千円も上がった。なぜ今」―。広島市安佐南区のタクシー運転手の男性(53)から編集局に戸惑いの声が寄せられた。8月に介護保険制度の変更があり、所得の低い人向けの食費・居住費の補助が縮小されたという。「あまりに負担が重い」。制度見直しが一部の高齢者の暮らしを直撃している。 【グラフ】差し押さえ高齢者、初の2万人超 介護保険料滞納で過去最多 9月下旬、男性は認知症の母(81)が入所する施設の利用料領収書に目を見開いた。8月が3万2120円だったのに対し、9月は5万4130円と1・7倍になっていた。 ▼1日の食費が650円から1360円に 介護施設での食費や居住費は原則自己負担だ。しかし男性の母は、住民税非課税世帯を対象に食費と居