アンデシュ・ニューマン、ベリエ・スヴェンソンの『性的虐待を受けた少年たち ボーイズ・クリニックの治療記録』(太田美幸訳、新評論)より。 女性による虐待 女性による子どもの性的搾取は、どれくらい起こっているのだろうか。これについての調査結果を見てみよう。現在、この領域の第一人者であるファーガソンとミューレンの研究(Fergusson & Mullen, 1999)によれば、少年への性的虐待の5分の1(およそ20パーセント)が女性虐待者によるものである。子どもへの性的虐待全般で見ると、加害者の90パーセントが男性、10パーセントが女性である。 また、ジャッキ・サラジャンの調査(Saradjian, 2001)では、少女も少年も、100人に1人は年長の女性から深刻な性的暴行を受けた経験をもつとされている。 近年、性的虐待の問題、とりわけ男性の性被害が以前よりもオープンに議論されるようになったこと