11日で東日本大震災から4年。大槌町吉里吉里の吉里吉里保育園理事長東谷(あずまや)藤右エ門(とうえもん)さん(81)は、津波で犠牲になった妻ケイさん=当時(74)=との思い出を支えに、保育園の再建、運営に奔走してきた。ケイさんは藤右エ門さんを自宅で待ち続けていたとみられ「あのとき逃げろと言っていれば」と今も自責の念は消えない。地域の未来を担う園児たちの笑顔を、愛妻の分も懸命に生きる自分の姿を、ケイさんがいつまでも見守っていてくれるよう願い、11日は護持会長を務める吉祥寺(同町、高橋英悟住職)の巡回法要に同行する。 あの日、ケイさんは近くの生協集配所にいて、大地震後すぐに自宅に戻った。藤右エ門さんは「ここにいろ。俺は園児を避難させに行く」と言い残し保育園に向かった。 園児は既に高台の吉里吉里小に避難していた。無事を確認できたため自宅に戻ろうとすると、黒い波が校門前の坂をせり上がってきた。 自