ブックマーク / honz.jp (21)

  • 『ストーリーが世界を滅ぼす』我々が物語を所有しているのか? 物語が我々を所有しているのか? - HONZ

    世界はどんどん良くなっている。世界の人口のうち、極度の貧困状態にある人の割合は、過去20年で半分になった。そして自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年で半分以下にもなった。 一方で、世界はどんどん悪くなっている。政治の分極化、止まらない環境破壊、野放しのデマゴーグ、混迷きわめるウクライナ情勢、終わりの見えないコロナ禍。 一体どちらが、当の姿なのだろうか? 答えはストーリーを操る、語り手次第である。私たちが一生の間にたえまなく行うコミュニケーションには、何よりも重要な主目的がある。それが他人の心に影響を与え、なびかせるということだ。そのための唯一にして最強の武器が物語なのである。 むろん物語を通じて、人々を幸せな方向になびかせることだって可能ではある。しかし人間にはネガティブ・バイアスというものがあるからタチが悪い。悲しいかな私たちは、ネガティブな出来事の方に関心を寄せやすく、記憶に

    『ストーリーが世界を滅ぼす』我々が物語を所有しているのか? 物語が我々を所有しているのか? - HONZ
    about42
    about42 2022/08/22
    かといって物語なくして動かないというのもあり、耳さわりの良い話だけに耽溺するなという、結論は中庸になる?
  • 『日本の包茎』作られた「恥ずかしさ」をめぐって - HONZ

    にブックカバーはつけない。これを長年の流儀としてきた。 通勤電車でを開くと、目の前に座る人の視線がきまって表紙に注がれる。との出会いは何がきっかけになるかわからない。中には電車でたまたま見かけて興味を持ち、を買う人だっているかもしれない。出版文化への貢献のためなら、喜んで歩く広告塔になろう。そう考えて、どんなであろうと(たとえ『性豪』や『鍵開けマニュアル』といっただろうと)顔色ひとつ変えず公衆の面前でを開いてきた。それがハードボイルドな俺の流儀だった。 だが、書を手にした時、初めてその覚悟が揺らいだ。 いや、覚悟が揺らぐなんてちょっとカッコつけ過ぎである。正直に言おう。気後れしてしまったのだ。臆病な犬のように尻尾を股の間に挟んで後ずさりしてしまったのだ。カバンに手を突っ込んだまま固まっている俺を、目の前の女が不安そうに見上げた。銃を持っているとでも思われたのかもしれない。怯

    『日本の包茎』作られた「恥ずかしさ」をめぐって - HONZ
    about42
    about42 2021/03/04
    “「そんなこと、気にしたこともない!」”「誰もが嘘をついている」でも男性のみが男性器を気にしているという偏りがあったな
  • 『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記 こうして私は職業的な「死」を迎えた』げに恐ろしき、出版界の裏事情を綴る真摯な暴露本 - HONZ

    『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記 こうして私は職業的な「死」を迎えた』げに恐ろしき、出版界の裏事情を綴る真摯な暴露 このをここで紹介していいものか迷ったが、著者の真摯な姿勢に心を動かされたので、おもねらずにレビューしてみたい。 書は、ベストセラー『7つの習慣 最優先事項』の訳で一躍売れっ子翻訳家になった著者が、出版社との様々なトラブルを経て業界に背を向けるまでの顛末を綴った、げに恐ろしきドキュメントだ。 驚くことに、名前こそ伏せてあるが、理不尽な目に遭わされた出版社のプロフィールが文や帯でずらずら書かれている(業界歴の長い人ならすぐにわかるのではないか)。著者の名前をネットで調べれば翻訳を担当した書籍がばんばん出てくるし、もはや告発書、暴露と言っても過言ではない。 まずは著者が経験した「天国」から。 出版翻訳家を夢見たのは21歳のとき。大学卒業後は大学事務員、英会話講師、

    『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記 こうして私は職業的な「死」を迎えた』げに恐ろしき、出版界の裏事情を綴る真摯な暴露本 - HONZ
    about42
    about42 2020/12/10
    少し前に出ていた、海外翻訳多い出版社の編集者の机に翻訳原稿が層になっているみたいなエピソードあって、そりゃ雑に扱われることもありそうだなと…
  • 『闇の脳科学「完全な人間」をつくる』 その先駆者の栄光と悲劇、そして「脳操作」の現在と未来 - HONZ

    同性愛の「治療」を受ける男。娼婦を相手に性的興奮を得ることができれば成功だ。男の頭には電極が差し込まれており、後頭部から4のコードが隣の部屋まで延びている。その部屋では、研究者たちが電極から送られてくる計測値を見ながら、男の快楽中枢に適切な電気刺激を与える。 まるでSFだ。しかし、未来の話としてはおかしいと思われないだろうか。現在の状況を考えると、LGBTが治療対象となる未来などやってくるはずがなかろう。未来物語でもなければ架空のストーリーでもない。米国で実際におこなわれた人体実験なのである。 書『闇の脳科学 「完全な人間」をつくる』の冒頭シーンがこれだ。いったいどんな内容のなのか。意識せずとも期待感が広がっていく。まるで脳のどこかに電気刺激が与えられたかのように。 この実験をおこなったのは、精神科医ロバート・ガルブレイス・ヒース。統合失調症病などさまざまな精神疾患に対して、患者

    『闇の脳科学「完全な人間」をつくる』 その先駆者の栄光と悲劇、そして「脳操作」の現在と未来 - HONZ
    about42
    about42 2020/10/14
  • 2019年 今年の一冊 - HONZ

    HONZメンバーが選ぶ今年最高の一冊。令和元年となった2019年もこのコーナーがやってまいりました。 今年はHONZが始まって以来一番の、ノンフィクションの当たり年であったと言えるのではないでしょうか。こんなにも次から次へと面白そうなが出ては読みきれません。そしてどこまでも自由なHONZメンバーたち。今年は初の試みとして、原稿の催促を一切しないでみましたが、やはりただ待っていても、原稿は届かないものです。 そんなワケで、今年は原稿の到着が遅かった順に掲載してみます。早く送ってくれた方々、どうもすみません! 麻木 久仁子 今年最も「元号を感じた」一冊 半藤一利さんといえば「歴史探偵」の異名を持つ昭和史の水先案内人のようなお方、多くの人々に昭和史探検の楽しさを教えてくれた方である。かくいう私も半藤さんの『日のいちばん長い日』や『昭和史1926~1845』『昭和史 戦後編1045~1989』

    2019年 今年の一冊 - HONZ
    about42
    about42 2020/01/01
  • 『ミヤザキワールド 宮崎駿の闇と光』 - HONZ

    書は、海外における日アニメ研究の第一人者による「宮崎駿論」決定版とも言うべき一冊である(原書はMiyazakiworld: A Life in Art, Yale University Press, 2018)。通読してまず実感するのは、著者スーザン・ネイピアの「ミヤザキワールド」に対する並々ならぬ愛情の深さだ。自身も優れたストーリーテラーであるネイピアの語り口は優しく滑らかで、宮崎の人生や時代背景が創作過程にどのような影響を与えたのかを、難解な専門用語に頼ることなく紐解いていく。ネイピアは、宮崎の作品世界を読み解くために、監督に関する膨大な日語の(そして日に日にボリュームを増す英語の)文献や資料を渉猟しただけでなく、作品にインスピレーションを与えた自然や場所にも自ら足を運んで観察している。 現在、タフツ大学で修辞学教授を務めるネイピアは、これまで日文学とファンタジーやアニメに関す

    『ミヤザキワールド 宮崎駿の闇と光』 - HONZ
    about42
    about42 2019/11/06
    やっぱしルグウィン
  • 『月下の犯罪』名門一族の秘められた罪をめぐる極私的ノンフィクション - HONZ

    「180人のユダヤ人を虐殺したのは、私の大叔母だったのだろうか…」 そんな帯の文句に惹かれて書を手に取った。 1945年3月24日の晩、オーストリア国境近くの村レヒニッツにあるバッチャーニ家の居城で、ナチとその軍属のためのパーティーが開かれていた。月が明るい晩だった。この時、駅には200人近いユダヤ人たちが立たされていた。彼らは対赤軍用の防護壁を築くためにハンガリーから連れてこられた強制労働者たちだった。 夜9時半、彼らはトラックに乗せられどこかへ運ばれた後、4人の突撃隊(SA)に引き渡された。SAはユダヤ人たちにショベルを渡すと、L字型の穴を掘るよう命じた。疲れ切ったユダヤ人たちが固い土を掘っている時、城の電話が鳴った。電話を受けた親衛隊上級曹長のフランツ・ポデツィンは「いまいましいブタどもめ」と吐き捨てると、部下にパーティーの参加者を連れてくるように命じた。そしてこう告げたのだ。「駅

    『月下の犯罪』名門一族の秘められた罪をめぐる極私的ノンフィクション - HONZ
    about42
    about42 2019/09/11
  • 『情熱でたどるスペイン史』めまいがするほど複雑な歴史を、「情熱」という養分で解き明かす - HONZ

    「静かな情熱を湛えている」というとかっこいいけれど、卓をはさんで目の前にいても「あら、あなたまだそこにいたの」とから言われるくらい普段存在感が薄くて、激しい情熱とは無縁の私。そんな私が『情熱でたどるスペイン史』という、ちょっと恥ずかしい表題の書物を公にしてしまったのはなんでかなあ、と思わないでもありませんでした。 しかしその恥ずかしさを打ち消すように文献を読み漁り、必死に考えをまとめてできあがった書には、やはりこのタイトルこそがふさわしいと、今は思っています。 「情熱のスペイン」という惹句は、たしかに観光案内やテレビ旅行番組ならともかく、中高生を対象にした真面目な書物には不適切だと注意されるかもしれません。そして情熱のほとばしるスペイン人の活動として、フラメンコに闘牛、レアル・マドリードやバルサのサッカーへの熱狂、カルメンやドン・フアンの激しい恋愛、こんなものを取り上げていては、ス

    『情熱でたどるスペイン史』めまいがするほど複雑な歴史を、「情熱」という養分で解き明かす - HONZ
    about42
    about42 2019/02/05
    新大陸のスペインの子どもたちも、血気盛んというかうおらばという感じの
  • 『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 - HONZ

    私は、1年のうち少なくとも3ヶ月は、海外で恐竜化石調査を行っている。主な調査地は、モンゴル・アラスカ・カナダ・中国、そして日である。2017年4月には、北海道むかわ町穂別から発見された日で最初の大型恐竜の全身骨格について、発表をした。全長8メートルのハドロサウルス科という恐竜で、全身の8割以上が揃っている、世紀の大発見だ。私の研究は、それだけではない。恐竜から鳥類への進化の過程についても研究をしている。爬虫類的な恐竜から、鳥型の恐竜へと進化していくそのプロセスに注目しているのだ。脳の進化、消化器官の進化、翼の進化など、「恐竜の鳥化」というものをキャリアのテーマとしている。私だけではなく、世界中の恐竜研究者の成果によって、最近では「鳥は恐竜である」ということが定着してきた。つまり、世界中の鳥類研究者は、“恐竜研究者”ということになる。 * 最初に『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』が出版され

    『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 - HONZ
    about42
    about42 2018/07/05
    いちゃこらであった
  • あなたはなぜ特定の色を好むのか?──『好き嫌い―行動科学最大の謎―』 - HONZ

    あなたは何色が好きですか? と聞くと大抵の人はペラペラとこんな色が好きですと答えてみせる(僕は灰色だ、地味だから)。初対面同士の飲み会ならなんか嫌いなものorべたいものでもあります? と聞くものだし、映画小説など、作品を鑑賞する際にも、好みは密接に関わってくる。巨大人型ロボット物は嫌い、という人もいれば巨大人型ロボット物ならなんでも大好き! という人もいるものだ。 その違いはなぜ発生しているのだろうか? べ物に関してはアレルギーなどがあるだろうが、そうでない場合は何が関係しているのか? 育ってきた環境の違いか、進化論的に脳に組み込まれているのか? 日々の選択は現在、未来の嗜好にどのような影響を与えていくのだろうか。ひょっとしたら、好き嫌いは完全にただの思いこみだったりするのかもしれない。書『好き嫌い―行動科学最大の謎―』はそうした好き嫌いに関連した行動科学についての一冊である。 た

    あなたはなぜ特定の色を好むのか?──『好き嫌い―行動科学最大の謎―』 - HONZ
    about42
    about42 2018/06/29
    “好きだと視聴者が言ったものではなく、視聴者が実際に見たものへ"
  • 『知ってるつもり 無知の科学』 - HONZ

    世界レベルで近年の流行語大賞を選ぶとすれば、「フェイクニュース」が有力候補に入るのはまちがいない。アメリカのドナルド・トランプ大統領は自らに不都合なニュースをことごとくフェイクニュースと称しているが、来は虚偽の情報に基づいて作られたニュースを意味する。2016年のアメリカ大統領選挙の前には、「ローマ法王がトランプ候補への支持を表明した」「民主党のヒラリー ・クリントン候補は、テロ組織IS(自称イスラム国)に武器を売却した」といったフェイクニュースがソーシャルメディアなどを通じて拡散し、大統領選の帰趨に影響を与えたとされる。 「ポピュリズム」も候補入りしそうだ。「国民が苦しむのは移民のせい」「異教徒のせい」「自由貿易のせい」とわかりやすい敵をつくり、支持を獲得していく政治家や政党が、世界各地で台頭している。 なぜ人は薄っぺらな主張に流され、浅はかな判断をするのか。このきわめて今日的な問いに

    『知ってるつもり 無知の科学』 - HONZ
    about42
    about42 2018/04/04
    合理的な個人の不在、知識のコミュニティ。確かに地球が公転しているの見たことはないし、そもそも本当に球なのか適切に証明できないかも。
  • みんな大好き大興奮!(のはず)『マンボウのひみつ』 - HONZ

    生きものによって人に好かれるのとそうでないのがある。それは、その生きもの固有の性質による場合もあれば、社会的なファクターによるものもある。たとえばアイアイを考えてみればよくわかる。 アイアイはその原産地・マダガスカルでは悪魔の使いとされており、忌み嫌われている。どれほど嫌われているかというと、一旦目撃すると、そのアイアイを殺さないと不幸になる、と言われていたくらいだ。そら、絶滅危惧種になりますわな。しかし、日では、軽快なメロディーの童話のおかげで、多くの人に好かれている。確かになんとなく不気味なんで、実物を見たら子どもは泣いてしまうかもしらんけど。タヌキなんかも微妙である。見た感じは愛くるしいが、かちかち山とかを読むと、人を化かすとんでもない生きもので極めて印象が悪い。 その点、マンボウは違う。世の中にマンボウが嫌いとか恐いとかいう人はほとんどおらんだろう。まぁ、マンボウのことなんか見た

    みんな大好き大興奮!(のはず)『マンボウのひみつ』 - HONZ
    about42
    about42 2017/09/02
    読むだけで脳内に関連無駄知識が挿入された感。
  • 『最後の資本主義』資本主義を脅かしているのは、信用の弱体化である - HONZ

    作者:ロバート・B. ライシュ 翻訳:雨宮 寛 出版社:東洋経済新報社 発売日:2016-12-02 去る12月2日に日財団で行われた「Bコーポレーションを知る会」に出席してきた。Bコーポレーションという言葉は聞き慣れないかも知れないが、アメリカの非営利団体B Labが運営する、社会的責任や持続可能性などを評価する認証制度で、「TransFair」がフェアトレード・コーヒーを認証するのと同じように、アカウンタビリティや透明性などB Labの掲げる基準を満たした企業に対して与えられる民間認証である。 「B」は「Benefit」(ベネフィット=利益)のことであり、環境、コミュニティ、従業員などの様々なステークホルダーの利益を意味している。アウトドア用品のパタゴニアを始め、現在までに世界50カ国で、約2千社が取得している。日にはまだBコーポレーションのような認証制度は見られないが、日でもB

    『最後の資本主義』資本主義を脅かしているのは、信用の弱体化である - HONZ
    about42
    about42 2016/12/18
    マクニールの予言の日が近づいている?
  • ※閲覧注意 『図説“特殊性欲”大百科 “ビザール”の生態学』 - HONZ

    about42
    about42 2015/11/13
  • 中国権力中枢の最深部に迫る『十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争』 - HONZ

    これは凄いだ。大手新聞紙の発行部数が下落し始めて久しいが、書で描かれるような記者の情報収集能力の高さを目の当たりにすると、新聞社というシステムが持つリソースの潤沢さを思い知らされる。 著者は朝日新聞の北京特派員として、6年弱にわたって中国報道の最前線に立ち、共産党内部の権力闘争を追い続けた。体を張って共産党員とのパイプを築き上げ、 当局による幾度のもの取り調べに合いながらも、 中国の権力の最深部に迫っていく様は、日のジャーナリズムの衰退などどこ吹く風だ。 そして描かれる様々なエピソードはまさに桁違いのスケールである。副題にある「人類最大の権力闘争」はまったく言い過ぎではない。 ロサンゼルスには将来的なアメリカへの移住を見越した中国政府高官の愛人を住まわせる村が存在し、彼らは6億円もの豪邸をキャッシュで買って行く。愛人は高官たちが中国土で違法に蓄えた資産のマネーロンダリングに使われる

    中国権力中枢の最深部に迫る『十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争』 - HONZ
  • 目指せデータ駆動型社会(not ディストピア)──『ソーシャル物理学』 - HONZ

    人々の行動を支配しているルールは存在しているのか。 組織での情報はどのように広がり、どのようにしてアイデアは広がっていくのか。創造的な社会構造を指し示すことは可能なのだろうか。これまでのところ、人間の行動は自由意志によってコントロールされており予測することは困難だというのが常識だった。 社会物理学とは何か その状況が今、変わりつつある。近年はメールが、SNSが、身体に装着する記録機器が、さらにはそこで集めた膨大なデータを処理し、傾向を導き出すシステムが整ってきた。書はその「現代だからこそ可能なこと」を最大限活かした実験結果によって成立している「社会物理学」だ。社会物理学とは、『情報やアイデアの流れと人々の行動の間にある、確かな数理的関係性を記述する定量的な社会学である。』と書では述べられている。 それは実際どのようなものなのか? たとえば、「あなたの今の気持ちを5段階で評価してくださ

    目指せデータ駆動型社会(not ディストピア)──『ソーシャル物理学』 - HONZ
    about42
    about42 2015/10/05
    マーケティングと刑事学と
  • 激ウマ&激マズ。へんてこ生物、捕獲せよ! 笑って、喰らって、ためになる『外来魚のレシピ』 - HONZ

    いきなりこんな写真でスミマセン。このワイルドな料理は、「アリゲーターガーの丸焼き」。アリゲーターガーは「顔はワニ、味はトリ」という、北米および中米原産の魚である。いかにも異国情緒漂わせまくりのこの魚が、じつは今、東京や横浜の川にもバッチリ生息している。 書はタイトルどおり、こうした外来魚を料理してべたレシピ集……といっても、著者自らが外来魚を求めて日各地に出没し、ときには体をはって巨大魚と格闘し、捕獲するところから始まる。 著者の胃袋におさまったのは、外来生物の代表格・ブラックバスやブルーギルなどの魚をはじめ、カミツキガメや、アフリカマイマイという巨大カタツムリなどなど。 著者と、沖縄で捕獲した体重34キロのワニガメ(これはべずに専門施設に引き渡し)。人の指くらい軽くいちぎれる危険生物が、日ですでに野生化している。 このような異国の生物がウヨウヨしているため、多摩川などは「タマ

    激ウマ&激マズ。へんてこ生物、捕獲せよ! 笑って、喰らって、ためになる『外来魚のレシピ』 - HONZ
    about42
    about42 2014/10/23
  • いずれ劣らぬ地獄絵図 『捕食者なき世界』と『ねずみに支配された島』 - HONZ

    5億4千万年前のカンブリア爆発以来、地球上には『捕者』がはびこっている。ある意味では我々人類が地球上最強の捕者なのであるが、そのことは棚上げにして、捕者というと、どう猛で恐ろしいいうイメージを抱きがちだ。 捕者のいない世界というのを考えてみてほしい。なんとなく、平穏でのどか、緑ゆたかで桃源郷のような景色が思い浮かばないだろうか。『捕者なき世界』を読むと、そのような甘っちょろい直感的想像は木っ端みじんに打ち砕かれる。 1741年、遭難したロシア船ピョートル号に乗っていたベーリングに見つかるまで、ラッコはアリューシャン列島界隈でうようよ泳いでいた。肉は固くてべられたものではないが、寒い海に住むラッコの毛皮は保温能力が高い。毛皮商人がほうっておくわけがない。人間の恐ろしさを知らなかったラッコは、おもしろいように狩られていった。 乱獲がたたり、捕獲すら難しい状況となった1911年、よう

    いずれ劣らぬ地獄絵図 『捕食者なき世界』と『ねずみに支配された島』 - HONZ
  • 知識より 読書が大事 『検証・学歴の効用』 - HONZ

    学歴が無用だとか、学歴なんか意味がない、と言われるとどきっとする。大学で禄をんでいる者としては、『売り物』を否定されるようなものなのだから当然のことだ。しかし、当のところはどうなのだろうか。どうも優勢な気がする学歴否定派は、学歴があってもこんなアホがおる、とか、学歴がなくてもこんなにすばらしい人がいる、とかいう少数のイメージで論じているようなところはないだろうか。 学歴肯定派が劣勢に見えるのは、学歴に効用がある、ということを何度繰り返しても、ふうん、と思われるのが関の山だからだろう。とはいえ、学歴肯定的な自分の考えも、こうであってほしい、というだけで、なにかエビデンスをもっているわけではない。意外なことに、序章にあげられているデータは、学歴による収入差は次第に増加している、すなわち、学歴の効用が増していることを示している。にもかかわらず、その間に、学歴の効用を問う方向性が高まっているの

    知識より 読書が大事 『検証・学歴の効用』 - HONZ
    about42
    about42 2013/08/23
  • 『妻と飛んだ特攻兵』 - 大空に舞った白いワンピース - HONZ

    ごく稀に、年に数回ほどだが、まるで導かれたかのように一冊のと遭遇することがある。書の強烈な磁力は、完成されたグラフィック広告のような表紙から発せられていた。 タイトルと写真を見た時の「この女性が!」という驚き。続いて副題の「8・19満州、最後の特攻」を眺める。「満州に特攻隊?」「8月19日って、終戦後のことなのか?」など、次々に湧き上がってくる疑問… まるで映画のエンディングのようなシーンから書は始まる。 ”「女が乗ってるぞ!」 滑走路を走る飛行機の後部座席に、さらさらと風になびいている長い黒髪が見えたのだ。そしてほどなく群衆は、あの白いワンピース姿の女性も忽然と姿を消したことに気づいたーーー。” 九七式戦闘機に乗っていたのは、ソ連軍戦車に特攻しようとする谷藤徹夫少尉(当時22歳頃)。そして見送りにきていたはずの・谷藤朝子(当時24歳頃)が、いつの間にか後部座席に。1945年8月1

    『妻と飛んだ特攻兵』 - 大空に舞った白いワンピース - HONZ