人の脳を人が食べる風習 だが、人の脳を食すことが許容されただけでなく、風習だった時代と場所がある。 米ロングアイランド大学CWポスト校の生物学名誉教授で、『カニバリズム──まったく自然な歴史』(未邦訳)の著者であるビル・シャットは言う。 「理由はともかく、仮にあなたが誰か人を食べていたとしましょう。そのとき、あなたがその脳を食べない理由が私には見当たりません」 ヨーロッパで発掘された、10万年前にさかのぼる先史時代の人骨には、脳が取り出された、ひび割れた頭蓋骨含め、食人の形跡が見られる。 近代に入ってからも、風習としての食人には、脳を食すことが多く含まれていた。なかでも有名な一例が、パプアニューギニアのフォレ族だ。 脳を食すフォレ族の慣習は、特異的に悲惨な結果をもたらした。それは現代の米国人が脳を嫌悪するまた別の理由を説明するものでもある。すなわち、病の恐れだ。 1950年代に、200人ほ
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