俳句が宇宙空間を越えて地球の彼方(かなた)、火星への旅に出る。 今年11月の出発だ。米航空宇宙局(NASA)の火星周回探査機「メイブン(MAVEN)」で運ばれる。 7月1日の締め切りで、世界からの名句をネット上で募集中だ。寄せられた作品はその2週間後に公開され、ネット投票で選ばれた上位3句がメイブンに載せるDVDに記録される。 日本の俳句は、世界最短の詩として国際的に人気が高い。 江戸・元禄時代の松尾芭蕉らに源流を持つ、5・7・5音の定型詩のリズムと奥行きは、言語の差や文化の壁を超えて、広く人々の心を打つ力を備えているようだ。 火星への旅路に招かれる今回の俳句は、英語での作品に限られている。時代も変わったものである。 英語の俳句は、季節感を生かし、音節数で5・7・5のスタイルを守るなど、本家の日本語俳句と変わるところはあまりない。違いは、3行に分けて書くことくらいか。 メイブンは、火星の軌