【モスクワ=星井麻紀】ロシアのメドベージェフ大統領は8日、3月末の夏時間への移行を最後に夏と冬の時間移行制を廃止すると表明した。「生体リズムに反している」というのが理由。ソ連時代から30年続いた「伝統」が幕を閉じる。 メドベージェフ氏は、季節によって時間が変わることが体のストレスとなり、病気の原因になっているとし、廃止は有益だと強調した。ドボルコビッチ大統領補佐官も時間移行による省エネ効果はほとんどないとの見解を示した。 メドベージェフ氏は2009年11月の年次教書演説で、「効率的な国家運営」のために国内に11あった標準時を減らすよう提案。夏時間と冬時間の廃止の検討も投げかけていた。標準時は昨年3月、九つに削減された。夏季は午後遅くまで明るい地域が多いロシアでは、ソ連時代の1981年に夏と冬の時間移行制を導入した。