月刊文藝春秋11月号は、かの有名な評論家、立花隆氏の「小沢一郎『新闇将軍』の研究」を、目玉記事として掲載しています。私もこれまで、小沢氏には関心を持ってきたし、小沢氏の師匠である田中角栄元首相の金脈問題を追及した立花氏に対し、敬意も持っていた(東京都文京区に住んでいたときには、ときどき近くで見かけたし)のでざっと目を通しましたが、正直、「この程度か」と感じました。 内容に特に新しい事実や特筆すべき視点がないこともさることながら、立花氏が「報道機関はその使命を果たしているのだろうか」と疑問を示した上で、「報道機関はいくら拒否されてもとことん食い下がって、小沢報道をディープなレベルでつづけるべきだ」と指摘し、そのディープな報道として例示したものに強い違和感を覚えたのです。 立花氏は、「政治はドラマの連続である。よく取材された現実政治の緊迫した一場面は、いかなる芝居や映画の名作よりはるかに面白い