モノクロ写真のカラー化は、早稲田大理工学術院の石川博教授らの研究チームが開発したものなど、複数の人工知能(AI)技術を組み合わせて活用。この技術を用いて歴史写真の着色に取り組む東京大大学院の渡邉英徳教授に、画像補正を依頼した。 渡邉教授は、カラー化が若い世代にとって過去を身近に捉える契機となり、世代間の対話を生む点に注目し、マスコミなどと連携した事業に携わってきた。 最初に写真をAIによって仮着色するが、建物や服装などは実際の色と異なることも多いので、記者が当時を記憶する人々を取材し、可能な限り説得力のある色を目指す。渡邉教授は取材成果や経験を基に、色を補正していった。 取材は簡単ではなく、鮮明に空襲を記憶する人でも、建物の色や道路の色を聞くと首をかしげる。それでも大街道や女学校の様子など、戦時中の暮らしの断片を聞き取ることができた。今回の紙面が、若い世代に戦争の記憶をつなぐきっかけになれ