北海道函館市に本社のある東日本フェリーの古閑信二社長(55)は8日午後、同市で記者会見し、燃油高騰などで経営環境が急激に悪化したとして、北海道と青森県を結ぶ3航路(函館-青森、函館-大間、室蘭-青森)のフェリー運航事業から11月末で撤退すると発表した。 昨年9月に就航した高速フェリー「ナッチャンRera(レラ)」と今年5月に就航した同型の「ナッチャンWorld(ワールド)」は11月1日から運航をやめる。 ただ、函館-青森の在来フェリーは、系列会社の道南自動車フェリーが引き継ぐほか、ほかの2社も同区間でフェリーを運航している。会見で古閑社長は、今年1年間に3航路で計約49億円の赤字が見込まれることが撤退の理由だと説明。「津軽海峡エリアの活性化の一役を担ってきたが、断腸の思い」と述べた。