これはひどい社説だと思う。 ビンラディン容疑者の行方は今も分からない。タリバーン勢力が盛り返し、国際治安支援部隊に参加する外国軍は守勢に立たされている。カルザイ政権の支配が及ぶのは全土の3割にも満たないといわれる。民間と軍の死傷者は急増し、日本人も犠牲になった。 いまや米政府内にも、このままでは手に負えなくなるといった悲観論が渦巻いている。 なぜ、こんなことになったのか、原因はいくつもあろう。米軍がイラク戦争で力をそがれ、手薄になった。ケシ栽培や麻薬密輸を根絶できず、タリバーン復活の資金源となった。政権の腐敗体質。米軍の空爆で民間人が多数巻き添えになり、民心が離反した……。 アフガン戦は米国が主体ではなく、まがりなりにも国際社会が主体なのにいかにも米国が主体であるかのように誘導した議論だ。米国はこの戦争であまり前に出ないように配慮しているのが裏目に出た面がある。 日本もこの戦争で被害を出し