学生からの依頼に応えて、インタビューなどを受ける機会がある。彼らは決まって「お金がないので、ギャラは払えない」と言う。そのくせ、実際には待ち合わせた喫茶店の代金をもとうとしたり、菓子折りを持参してきたりする。だから私は、いつもその場で彼らを怒る羽目になる。 タダ働きをさせることについて申し訳ない気持ちが少しでもあるのなら、本来あるまじきことだと思っているのなら、私にギャラを払ってほしい。こう言うと彼らは決まって身を竦めるのだが、構わずに続ける。それが「対価」でさえあれば、値段は、100円だっていいんだよ。 喫茶代やお菓子代に回すお金が何千円と出せるなら、それを学生新聞や研究サークルの「経費」で落とせるのなら、その十分の一でいい、ギャランティを捻出してほしい。その上で、「あなたにギャラを払ってしまったから、もうお金がない」と言えばいい。訪ねてきた全員分のお茶くらい、いくらでも奢ってあげよう。
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