ニコンは半導体露光装置事業の止血など、構造改革を着実に進めつつある。ただ、看板のカメラ事業は急激な市場縮小に苦しみ、薄型ディスプレー(FPD)製造装置に頼る一本足の状態から脱却できていない。光学技術の進化を担ってきた半導体の旗を下ろし、同社はどこへ向かうのか。牛田一雄社長に聞いた。 ―人員削減などで半導体事業を大幅に縮小しました。今後の方向性や市場動向をどう見ていますか。 ¥「半導体装置は、売上高の増加を目指した先行開発や見込み生産が問題だった。身の丈に合った注文生産に方針を転換し、黒字化させる。一方、最先端の液浸露光技術は成熟しつつある。顧客との間で、積極的に投資をせずに5年は競争力を保てると確認した。また、IoT(モノのインターネット)には、多様な半導体が必要だ。過去に販売した装置のレンズやステージを交換するニーズがある」 ―半導体装置は、光学技術を進化させてきた一面もあります。 「ニ