公的年金制度を維持するには、65歳以上の高齢者が受け取る厚生年金の水準を段階的に引き下げ、2038年度以降は現在よりも20%低くする必要がある。厚生労働省は23日、こうした年金財政の長期見通しを公表した。現役世代の手取り収入に対する厚生年金の割合は50.1%で、政府が約束した5割を維持できると説明している。 この日の社会保障審議会年金部会に検証結果を提出した。前回04年の試算では、23年度に15%低くすれば年金財政を維持できるはずだったが、経済危機による積立金の減少や少子化の進行を反映し、より厳しい結果となった。 検証は5年に一度行い、100年後までの年金財政を見通す。その間の人口構成や経済成長を前提条件として織り込む必要があり、今回は標準的ケースで将来の出生率1.26(07年は1.34)、長期の運用利回りは4.1%、不況を脱した後の15年度以降の実質経済成長率を0.8%などと仮定。基