今日は、この尖閣諸島沖の漁船衝突事案について、少し整理してお話をしたいと思います。 この議論は、先日の「日曜討論」(NHK)などでも申し上げたように、2つの観点からの批判があります。 1つは、漁船の船長を捕まえた際に、もっと上手くやるべきではなかったかということです。もう1つは、法に基づいて判断すべきところ、政治の介入があったのではないかということです。この2点について、申し上げたいと思います。 もう少し上手くやれなかったのかという最初の意見は、例えば、小泉政権のときに尖閣に上陸した中国の活動家を、一旦警察が逮捕しながら、これを中国に帰したという事案があり、そのことを念頭に置いての発言だと思います。自民党の谷垣総裁などは、そういったことについて言及されました。 我々はこの事案が起きたときに、そういった先例にならうべきではないという判断をしました。理由の1つは、日本は法治主義であり、したがっ