内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長は19日、四国電力伊方原子力発電所3号機(愛媛県)の「ストレステスト(耐性検査)」1次評価について、保安院の審査書を安全委で検証するのは時間的に困難との見解を示した。 保安院と安全委が4月以降に設立予定の原子力規制庁に統合されるため、評価作業の時間が十分取れないとしている。 保安院は同日開かれた専門家による意見聴取会で1次評価結果を「妥当」とする審査書案を公表し、近く成案化して安全委に提出する方針を示している。しかし、安全委側が慎重姿勢を示したことで、伊方3号機の再稼働に向けた今後の見通しは不透明になった。 班目氏は同日の記者会見で「安全委は3月末に廃止されると考えている。そういう組織に(伊方3号機の審査書を)持ってくることは、ありえない」と述べたうえで、1次だけでは安全性の評価は不十分とする従来の主張を繰り返した。